のぞく鋭い感性 池永聖子、本領発揮の時期【大分県】

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「潮騒」(2013年)

 大分市の日本画家で県美術協会会員の池永聖子さんの個展が、大分市府内町の大分銀行2階画廊フロアで開かれている。5月17日まで。

 大分銀行ロビー展は、本展運営委員会で毎回推薦された作家の作品展。既に40年の歴史を重ねた。今や郷土作家の発表スペースとして、展示やコンサートなど、かけがえのない文化ゾーンとしてすっかり定着した感がある。

 今回の池永さんは、1954年大分市生まれ。県立芸術短期大学(当時)デザイン科卒業後、日本画に興味を持ち、田川奨先生に基礎を学んだ。その後、宮崎喜恵先生に師事。地道な制作活動を続け、今は県美術協会日本画部の中堅として今後を期待されている。

 会場に並んだ50号大の人物や風景13点は、けれん味のない画面の爽やかさに作者の人柄がにじみ出ている。初期の作品「窓」(100号)は、雨にかすむガラス越しの建物がテーマ。ひたむきな描写の背後に鋭い感性がのぞく。

 「時の軌跡」「きざし」「潮騒」「月下」などの風景に、この作者独特の視座があるようで興味深い。特に「潮騒」の波には不思議な生命感も感じるが、むしろ、造形処理の効果が力強く、この作品を際立たせている。

 人物では「シャボン玉」

「ゆめ」「夢中」「タンポポ」など、あどけない子どもの遊びがモチーフの作品群。ブルーの画面には、ある種の孤独感を誘い出す狙いもあるのかもしれない。

 日本画に取り組んで40年。さまざまなテーマに挑み、技術的にも研さんし向上を続けてきた池永さんは、これまでに県美術協会奨励賞や県日本画協会展教育長賞・同「優賞」などを受賞している。これからが本領発揮の時期、ますますの活躍を期待します。(NPO法人大分県芸振顧問・渡辺恭英)