昨年“打点王”の巨人岡本はシーズンでも大ブレーク…1年前OP戦との成績比較

巨人・岡本和真【写真:Getty Images】

昨年OP戦最下位の阪神はペナントレースでも最下位

 今季のオープン戦が終了した。昨年のオープン戦の記録と比較すると興味深いことが色々見えてくる。

【チーム成績】
◯2019年
1 広島 16試8勝4敗4分 率.667 差?
2 ソフトバンク 15試9勝5敗1分 率.643 差0.0
3 楽天 14試7勝4敗3分 率.636 差0.5
4 巨人 16試10勝6敗0分 率.625 差0.0
5 オリックス 17試9勝6敗2分 率.600 差0.5
6 ロッテ 14試6勝7敗1分 率.462 差2.5
6 DeNA 17試6勝7敗4分 率.462 差2.5
8 ヤクルト 17試7勝9敗1分 率.438 差3.0
8 中日 19試7勝9敗3分 率.438 差3.0
10 西武 15試6勝8敗1分 率.429 差3.0
11 阪神 17試5勝11敗1分 率.313 差5.0
12 日本ハム 13試3勝7敗3分 率.300 差4.0

◯2018年
1 巨人 17試11勝5敗1分 率.688 差–
2 ロッテ 14試8勝4敗2分 率.667 差1.0
3 楽天 16試9勝5敗2分 率.643 差1.0
4 DeNA 15試8勝5敗2分 率.615 差1.5
5 オリックス 14試7勝5敗2分 率.583 差2.0
5 日本ハム 15試7勝5敗3分 率.583 差2.0
7 西武 16試8勝6敗2分 率.571 差2.0
8 ヤクルト 16試6勝6敗4分 率.500 差3.0
9 中日 17試7勝9敗1分 率.438 差4.0
10 ソフトバンク 16試5勝10敗1分 率.333 差5.5
11 広島 14試3勝9敗2分 率.250 差6.0
12 阪神 16試2勝12敗2分 率.143 差8.0

 昨年は巨人が1位、続いてロッテ、楽天。ペナントレースとの相関関係は見えない。今年1位の広島、2位のソフトバンクが優位とは断言できない。ただ阪神は昨年オープン戦最下位でレギュラーシーズンも最下位。今年も11位と出遅れているのは気がかりだ。

 続いて打撃成績3傑の比較。

【安打】
◯2019年
1 木浪聖也(神)22
2 塩見泰隆(ヤ)20
2 雄平(ヤ)20

◯2018年
1 源田壮亮(西)18
1 島内宏明(楽)18
1 京田陽太(中)18

【本塁打】
◯2019年
1 大田泰示(日)5
1 陽岱鋼(巨)5
3 村上宗隆(ヤ)4
3 鈴木誠也(広)4
3 大山悠輔(神)4

◯2018年
1 バレンティン(ヤ)6
2 レアード(日)5
2 デスパイネ(ソ)5
2 ゲレーロ(巨)5

【打点】
◯2019年
1 高橋周平(中)15
1 ブラッシュ(楽)15
3 鈴木誠也(広)14

◯2018年
1 岡本和真(巨)15
2 レアード(日)14
3 内田靖人(楽)12
3 松田宣浩(ソ)12

【盗塁】
◯2019年
1 塩見泰隆(ヤ)12
2 佐野皓大(オ)7
3 近本光司(神)6

◯2018年
1 オコエ瑠偉(楽)5
2 加藤翔平(ロ)4
2 京田陽太(中)4
2 宗佑磨(オ)4
2 吉川尚輝(巨)4
2 安達了一(オ)4
2 金子侑司(西)4
2 大和(De)4
2 上林誠知(ソ)4
2 神里和毅(De)4
2 島井寛仁(楽)4

【打率(規定打席以上)5傑】
◯2019年
1 楠本泰史(De).388
2 塩見泰隆(ヤ).385
3 木浪聖也(神).373
4 島内宏明(楽).359
5 大田泰示(日).342

◯2018年
1 内田靖人(楽).386
2 鈴木大地(ロ).368
3 荻野貴司(ロ).366
4 倉本寿彦(De).364
5 島内宏明(楽).340

 安打数の上位には、例年、若手が上位に並ぶ。オープン戦もフル出場するからだ。昨年は本塁打の上位には外国人勢が並んだが、今季は日本人打者が並んだ。昨年の打点王は巨人岡本。その余勢をかってレギュラーシーズンでもブレークした。

 2019年の塩見の12盗塁は、昨年と比べても突出している。セ・リーグでは2005年の阪神赤星(60盗塁)以来、シーズン50盗塁が出ていないが、今季の塩見はどうだろうか。打率5傑の顔ぶれでは、楽天の島内が両方に顔を出している。「春男」と言えるが、レギュラーシーズンでも好調を維持できるか。

楽天の岸は2年連続でOP戦でも安定した成績

【勝利数】
◯2019年
1 ミランダ(ソ)3
1 大瀬良大地(広)3
3 高橋光成(西)2
3 東明大貴(オ)2
3 山本由伸(オ)2
3 種市篤暉(ロ)2
3 岸孝之(楽)2
3 野村祐輔(広)2
3 石川雅規(ヤ)2
3 高木京介(巨)2
3 井納翔一(De)2
3 バリオス(De)2
3 笠原祥太郎(中)2
3 青柳晃洋(神)2
3 西勇輝(神)2

◯2018年
1 武隈祥太(西)2
1 高梨裕稔(日)2
1 酒居知史(ロ)2
1 岸孝之(楽)2
1 則本昂大(楽)2
1 野村祐輔(広)2
1 桜井俊貴(巨)2
1 田口麗斗(巨)2
1 バリオス(De)2
1 小笠原慎之介(中)2
1 ジー(中)2
1 鈴木翔太(中)2

【セーブ数】
◯2019年
1 鈴木博志(中)5
2 森唯斗(ソ)3
2 岩本輝(オ)3

◯2018年
1 平井克典(西)3
1 増井浩俊(オ)3
3 篠原慎平(巨)2
3 国吉佑樹(De)2
3 進藤拓也(De)2
3 石川直也(日)2
3 ハーマン(楽)2

【奪三振】
◯2019年
1 上沢直之(日)24
2 今永昇太(De)22
3 大瀬良大地(広)20
3 榊原翼(オ)20

◯2018年
1 山岡泰輔(オ)22
2 藤平尚真(楽)20
3 石田健大(De)19

【防御率(規定投球回数以上)5傑】
◯2019年
1 東明大貴(オ)0.96
2 床田寛樹(広)1.59
3 岸孝之(楽)2.12
3 今井達也(西)2.12
5 ボルシンガー(ロ)2.30

◯2018年
1 西勇輝(オ)0.49
2 加藤貴之(日)0.60
3 酒居知史(ロ)1.06
4 岸孝之(楽)1.13
5 小笠原慎之介(中)1.35

 楽天の岸が昨年は2勝、防御率1.13、今年は2勝、防御率2.12。開幕へ向けてきっちり仕上げてきていることがわかる。則本昂大が前半戦離脱する中、期待がかかる。オープン戦最多セーブの鈴木博志はクローザーとして期待に応えることができるだろうか。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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