半世紀にわたる改修が完了 大雨対応へ横浜・和泉川拡幅 減災

改修が進み、全域で通水した和泉川。奥は東海道新幹線の高架=泉区和泉町

 横浜市瀬谷区を源に市西部を流れる和泉川で、半世紀にわたり続けられてきた河川改修事業が今月、ほぼ完了した。1時間50ミリの雨に対応できるよう、川幅を拡幅。水害に悩まされてきた地元からは、氾濫被害の抑止や軽減につながると期待されている。

 市河川事業課によると、境川水系の2級河川である和泉川の改修事業は、1971年度にスタート。約420億円を投じ、瀬谷区二ツ橋町から戸塚区俣野町までの区間(延長9.42キロ)で新たな河道の整備や拡幅を進めた。一部の護岸整備などを残しているが、新たな河道への切り替えが今月終わり、全域で通水した。

 改修により、これまで3~4メートルほどだった川幅は10メートルに拡大。「流域の都市化に伴い、場所によっては1時間20~30ミリの雨であふれる恐れがあった」(同課)が、一帯の水害リスクが大幅に低下することとなった。近年では2014年10月の台風18号の際に、流域の住宅に床上・床下浸水の被害が出ていた。

 22日には、切り替えが行われた泉区内の現場で、通水の記念式典を開催。泉区連合自治会町内会長会の馬場勝己会長は「かつては大雨の時に流域の住民が避難しなければならなかった。想定外の事態もあるので油断はできないが、かなり安全になったと思う。地元の長年の夢がかなった」と喜んでいた。

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