砂で蒸し焼きにする美食 新疆ケリヤ県

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砂で蒸し焼きにする美食 新疆ケリヤ県

 【新華社ケリヤ県3月27日】ギョリュウの木で作った壁の隙間から差し込む夕日が、オンドルの上で小麦粉をこねて家族の夕食を準備するスピラムハン・バウドンさんの体を照らす。夕食の主食は「クーマイチ―」と呼ばれるナンで、タクラマカン砂漠の奥地に暮らすケリヤ人は毎日これを食べる。

 タクラマカン砂漠の内陸約240キロ、ケリヤ川が砂漠に尽きる場所にある新疆ケリヤ(于田)県ダリヤブイ郷は「タクラマカンのへそ」と呼ばれ、1300人余りの牧畜民が暮らす。

 ケリヤ人の住宅には必ず囲炉裏があり、胡楊(コトカケヤナギ)の枝をくべて火を絶やさない。囲炉裏は砂の上に作られており、煙にいぶされて真っ黒になったやかんが置いてある。

 スピラムハンさんは胡楊の枝が燃える囲炉裏にやかんを置き、傍らで小麦粉で作った生地をこね始めた。こぶしで生地を突きながら広げていく。

 「クーマイチ―」には2種類あり、一つは小麦粉のみで作る具のないタイプ。もう1種類は中に羊の挽肉と玉ねぎのみじん切りの具を挟んだタイプで、大きな肉まんのようだが、肉汁があふれとてもジューシーだ。

 この日スピラムハンさんが作っているのは羊肉入りの「クーマイチ―」。砂が入らぬよう生地の端部分をしっかり閉じる。

 スピラムハン・バウドンさん

 「クーマイチ―」はわれわれの伝統的な食べ物で毎日食べます。

 【解説】囲炉裏の砂が十分に熱せられるとスピラムハンさんは燃えさしをよけて生地を砂の上に置き、さらにその上に熱い砂をかけた。

 スピラムハン・バウドンさん

 白いきれいな砂を選ばないと出来上がりの味に影響します。

 【解説】10分程度でナンは焼きあがる。スピラムハンさんがナンの上の砂を丁寧に取り去っている間に家族が熱いお茶を入れる。さあ楽しい夕食の始まりだ。上手な「クーマイチ―」は中はふっくら、外はこんがり。老若男女問わずみんなが好む。人々は砂漠によって閉ざされた世界に暮らしながらも、砂漠がもたらしてくれる格別の美食を楽しんでいる。(記者/宿伝義、胡虎虎、顧煜、段敏夫)