ザギトワ選手、長時間のドーピング検査 8時間、世界選手権後未明まで帰れず

By 太田清

優勝しメダルにキスするアリーナ・ザギトワ選手=22日、さいたまスーパーアリーナ

 さいたま市で行われたフィギュアスケートの世界選手権女子でSP、フリーともに1位の合計237・50点で初優勝した16歳のロシアのアリーナ・ザギトワ選手。平昌冬季五輪で金メダルを獲得したのはご存じの通りで、ここ20年間では両大会で優勝した最も若いスケーターとなった(1998年長野五輪では、前年の世界選手権で優勝した米国のタラ・リピンスキーさんが15歳で金メダルを獲得)。 

 大活躍したザギトワさんだが、日本での競技終了後、長時間にわたってドーピング検査のため競技会場となったさいたまスーパーアリーナで待機を余儀なくされ、ようやくホテルに戻れたのは翌日未明だったことが明らかになった。しかも22日のフリーだけでなく、20日のSPでも同様に翌未明まで会場に残されたという。ニュースサイト「ガゼータ・ルー」などが伝えた。 

 ザギトワさんはフリーの競技終了後、日本時間22日午後9時から翌23日午前5時まで会場でドーピングの手続きを行い「金メダルどころではなかった」と語った。SPの演技後もドーピング検査に5時間近くかかり、解放されたのは21日午前3時だった。 

 なぜ検査がこれほど長期間に及んだかについてザギトワさんは明らかにしていないが、ガゼータ・ルーは余分な体重を増やさないよう、競技前に食事や飲料を制限したため、検査で検体をすぐには提供できなかったのが理由ではと推測している。 

 ザギトワさんを巡っては、平昌五輪のSP前の公式練習でも、世界反ドーピング機関(WADA)の検査官が突然、検査を要求。検査のため事実上練習できず、一部ロシアメディアは「嫌がらせ」とWADAを批判したこともあった(もちろん、結果はシロだったが)。 (共同通信=太田清)

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