ベイトリールでの遠投について
バスフィッシングではベイトリールを使って遠投をしたいシチュエーションが数多く存在します。特にオカッパリでは遠投することで手付かずのポイントにアプローチできるため、釣果アップにもつながるテクニックでもあります。
ベイトリールでもコツを掴めば遠投は可能!
ベイトリールはスピニングリールに比べると遠投が難しいというイメージもあります。もちろんバックラッシュなどのトラブルのリスクもあるため簡単に遠投することはできませんが、コツさえ掴めば誰でも遠投をすることが可能なのです。
特に近年はベイトリールやロッドの性能もアップしているため、しっかりとしたタックルセッティングができれば100メートル以上のキャストも夢ではありません。
ベイトリールで遠投する5つのコツ
ベイトリールは釣り人のスキルやタックルが遠投する際に大きく影響します。コツをしっかりと押さえずにただ力任せに遠投しても、ルアーの飛距離が伸びるどころかバックラッシュなどの原因になってしまいます。
遠投に向いたベイトリールを選ぶ
ベイトリールはスプールやブレーキの機械的な構造から、リールの性能が遠投力にも直結してくるため、遠投に必要な機能が優れているモデルを使うに越したことはありません。
一般的には大口径スプールや遠心ブレーキ、デジタルコントロール(DC)ブレーキがを搭載したベイトリールが遠投に向くとされていますが、初心者にはトラブルの少ないマグネットブレーキが搭載されたモデルもおすすめです。
飛ばしやすいルアー・リグを使う
ベイトリールで遠投する際はルアーのチョイスも大切なポイント。自重の軽いノーシンカーワームや空気抵抗を受けやすいルアーは飛距離が伸びにくく遠投には不向きです。
遠投に向くのは自重があり空気抵抗の少ない形状のルアーやリグ。メタルバイブなどのハードルアーや、ワームを使う場合も1/2オンス以上の重めのシンカーや、フリリグ・三又キャロ等キャスト後にシンカーを先頭にして飛んでいくリグが遠投には有利になります。
細めのラインやPEラインを使う
意外と見落としがちなラインの太さ。ラインの太さに飛距離が依存しずらいベイトリールでも、細いラインほど遠投力を高める事ができます。
バスタックルを例にすると、1/2~1オンス程度のルアーの遠投にはフロロカーボンやナイロンラインの12~14ポンド前後の太さが遠投性と強度のバランスが取れた組み合わせです。更にPEを使うとライン重量も軽くできるため、さらなる飛距離アップも望めます。
飛ぶブレーキセッティングを見つける
ブレーキは緩めれば緩めるほどスプールの回転力を抑える力が弱まり、遠投性能はアップします。しかし同時にバックラッシュのリスクも高くなるため、バックラッシュを起こさないギリギリのブレーキセッティングを見つけることが遠投するうえでは大切。
はじめて遠投に挑戦する場合は強めのブレーキを徐々に緩めていくことで、そのタックルにあったブレーキセッティングの限界値を探っていくのがおすすめです。
ロングロッドを使う
ベイトリールの相棒となるロッドも遠投性能に大きく影響を与える要素。ロッドが長くなる分ルアーが放出される点が上がることによりルアーが飛ぶ放物線の頂点も高くなり、飛行時の滞空時間が伸びて着水点も遠くしやすくなります。
更にロングロッドはロッドの自体の弾性力を活かしやすく、キャスト時の初速も軽い力で稼ぐ事ができます。これらの相乗効果から、遠投にはロングロッドが有利なのです。バスであれば7~8フィート、ソルトゲームであれば8~10フィートクラスのロッドが遠投に向いているでしょう。
ベイトリールで遠投する時の注意点
ベイトリールでの遠投のコツをしっかりと抑えた方には注意してほしいポイントがいくつかあります。
遠投のコツをしっかり押さえてもイマイチ遠くまでキャストできない時にチェックしておきたい注意点をまとめてみました。
遠投時のバックラッシュを防ぐには?
バックラッシュが起こる原因はキャストフォームやタックルバランス、ブレーキセッティングなどのさまざまな要素がありますが、主要な原因となるのは『ルアーの失速』または『キャスト中のラインテンション抜け』、そして『ブレーキセッティングのミス』です。
どれに原因がありそうか、まずは原因の切り分けをしてみましょう。
キャスト時のフォームをしっかりと見直す
遠投を綺麗に決めるためにはキャストフォームも重要なポイント。スピニングタックルでの遠投ではスイングスピードを上げて瞬間的に曲げるキャストが多用されますが、ベイトでこれをやると途中でラインテンションが抜けてバックラッシュを招く事も多いため御法度。
ベイトタックルではロッドのベリーセクションあたりを『ゆっくり』『確実』に曲げこんで、緩やかにリリースするイメージで投げるのが定石。
これは垂直にロッドを振るオーバーヘッドキャストよりも、ややサイド気味にロッドを寝かせたクォーターキャストの方がロッドを曲げるコツを掴みやすいのでおすすめです。
垂らしの長さに注意
ベイトリールで遠投をする際は垂らしの長さにも注意が必要です。スピニングタックルの遠投の際に使われる1メートル以上の長い垂らしをとったペンデュラムキャストはベイトリールの場合、ティップに負荷がかかったり、バックラッシュの原因にもなるため注意しましょう。
ベイトタックルの場合、ロッドの長さにもよりますが50から70センチまでの垂らしがトラブルも少なくロングキャスト時に向いています。
いきなり遠くまで投げようとしない
釣り人の性として遠くに投げようするとついつい力んでしまいがちですが、焦りは禁物。キャストフォームが乱れたり、スイングスピードが必要以上に速くなってしまったりと、腕力を使って力いっぱい投げても飛ばないどころかトラブルの原因にもなります。
遠投するためにはブレーキセッティングなどを確かめながら徐々に距離を伸ばすのがおすすめ。キャストフォームの乱れや自分にあった垂らしの長さなどを修正しながら練習を繰り返していくことで、飛距離は後からついてくるものなのです。
ルアー重量はロッドの適正範囲内に収める
ルアーの重量が重い方が遠投には有利とされていますが、ロッドの適正重量の範囲を超えてしまうとロッドの反発力が対応しきれず、逆に飛距離が落ちてしまいます。
ルアーのウエイトを選ぶ際はロッドの適正範囲内で選びましょう。快適に遠投をするためにはロッドの適合範囲の上限重量の半分ほどの重さのルアーがおすすめ。1オンス(28グラム)がマックス重量であれば、1/2オンス(14グラム)前後といった具合です。
ルアーが着水するまで油断禁物
しっかりとロッドにルアーを乗せてキャストできたとしても油断は禁物。特にブレーキセッティングを緩め気味した遠投では、徐々にスプールのラインが浮いてきていることに気づかずバックラッシュを引き起こしてしまうことも珍しくありません。
遠投のフィーリングに慣れるまでは、スプールのエッジをサミングしながらラインの浮きを最小限に押さえ、着水する直前までラインとスプールに意識を集中しましょう。
遠投にはロッド選びも重要
ベイトリールで遠投するためにはリールはもちろん、ロッド選びも非常に大切。長さはもちろん投げたいルアーなどに合わせて適切なロッドを選ぶことで、飛躍的に遠投性能をアップさせることが可能です。
投げたいと思うルアーやウエイトをしっかりと理解しそれに合わせたロッドを選びましょう。
ベイトリールの遠投におすすめのベイトロッド
ベイトリールの遠投におすすめのロッドは7フィート以上の長めのレングス。硬さは最低でもMH以上の硬めのもので、高反発のロッドはより重いウエイトのルアーのキャストに特化されています。
遠投ロッドと一言にいっても一般的なサイズのクランクベイトを遠投できるものから、100グラムを超えるビッグベイトの遠投にぴったりのモデルまでラインナップされているため、用途に合わせて選んでみましょう。
遠投のコツとタックルを意識すればベイトリールの遠投も夢ではない!
スピニングリールに比べると難しいと思われがちのベイトリールの遠投ですが、タックルセッティングと遠投のコツを掴めば誰でも快適なロングキャストを楽しめます。特に近年は遠投向きのリールはもちろん、ロッドも非常に細分化されているため遠投の敷居も年々低くなっています。
フィールドで沢山練習をして、憧れの100メートルオーバーキャストをベイトタックルでも目指してみましょう!