松崎ナオ率いる鹿の一族、アルバム「P」レコ発&新体制初ワンマンライブ! 「コール&レスポンス」ならぬ客席への「コール&コール」?リクエストも。

鹿の一族「ポトラッチスペシャル No.0 〜2ndアルバム『P』レコ発ワンマンライブ〜」/ 下北沢ガレージ

メジャー・インディーズ双方のシーンで活躍し、ソロのみならず、椎名林檎と松崎ナオ名義などでも楽曲をリリースしている松崎ナオと、SUPER BAD、てつ100%のベーシストとしてメジャーデビューし、The Pillows、ORIGINAL LOVE、堂島孝平、秦基博、Cocco など、多数のアーティストの演奏などで活躍する鹿島達也、そしてザ・ビートモーターズのドラマー鹿野隆広の3人からなるバンド「鹿の一族」。

現在のメンバーになってから約1年、鹿の一族がより結束し、本領発揮したセカンドアルバム『P』のレコ発ライブが3月23日、 下北沢ガレージで行われた。

この日は前日から10度以上も気温が下がり、冬に逆戻りしたような天候だったが、開演前のライブハウスの入り口には長い列ができていた。もちろん『P』をライブ会場で購入すると、鹿の一族バージョン「川べりの家」がプレゼント、というのも嬉しいのだが、何より今日は鹿の一族にとっては特別な、現メンバーでの初めてのワンマンライブの日なのだ。

客席の期待が高まる中、19時30分、いよいよライブが始まった。いつものオープニングSE「特急ポッポ/子鹿 淳」が流れ、松崎ナオが登場。おもむろに「カラー」のイントロギターを始める。続いてBassの鹿島達也、Drs.の鹿野隆広が登場し、一気に演奏が始まった。メンバーの気合も充分、3人の音がタイトに絡み合い、エネルギーが爆発する。松崎のキレのいいカッティングに鹿島のフィンガーワーク、鹿野のドラムも今夜はさらにパワフルだ。鹿の一族ならではのグルーヴで客席も一気に揺れ始めた。

その後5曲続けて演奏、そして一息つき、松崎がセカンドアルバム『P』について話し始めた。すると客席から「Pってなーに?」という質問。松崎は「なんでもいいよ。」という答えだ。なんだか拍子抜けするも「こういうところも鹿の一族らしいな」という印象。ここから4曲はセカンドアルバムから。この数曲だけでもセカンドはかなりレベルが高く、さらにバリエーションに富んでいることがわかる。おのずと期待が増して行く。

11曲目に「川べりの家」が初めて鹿の一族で演奏された。松崎のソロ作品とはかなり印象が違うが、浮遊感のある新たな魅力を感じさせた。続く「夏休み」から「うめぼし」のスローテンポの作品を挟みならが、あっという間に最後の曲「至上のパパ」となった。そこで松崎より「コール&レスポンス」ならぬ客席への「コール&コール」?リクエスト。「至上のパパ」のサビで「♪上乗せ〜」とデス声で歌ってほしい!とのこと。アップテンポに多少の戸惑いがありつつも、なんとか客席合唱し本編は終了。

アンコールでは、アルバム未収録ながら人気の高い「清く、ただしく」をパワフルに演奏、そして最後の曲は鹿定番のアンコール曲「各々鹿々」。ベース、ドラムのアドリブを終えたあたりで、また松崎より客席のみんなに、大きくPの字を身体で作るようリクエスト。先ほどの流れもあり、バラバラとだがみんなPを描くが、松崎より「もっとちゃんと!上から見えてるよ。そこ!しっかり」などと叱咤され客席みんな気がつくと必死にPになっていた。ステージと客席が一体となり最高潮の中、鹿の一族のワンマンは終了した。また絶対来よう!と思わせてくれる最高のライブだった。(撮影:緒車寿一)

1. カラー
2. やきそば
3. PAAMAN
4. ひかりのこども
5. 秘密の名前
6. Pの事情
7. 晴天の霹靂
8. 風呂
9. Pの日常
10. 筍と鹿の国
11. 川べりの家(鹿の一族バージョン)
12. 夏休み
13. うめぼし
14. 回転レシーブ
15. 先人の教え
16. だけのもの
17. 至上のパパ
〜アンコール〜
EC1. 清く、ただしく
EC2. 各々鹿

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