2019年ツアー・オブ・ジャパンの開催概要発表

3月27日(水)、第22回目となるNTN presents 2019ツアー・オブ・ジャパンの公式記者発表会が開催された。大阪から東京までを走る国内最高峰のレースは、2019年は5月29日(日)~26日(日)の8日間開催される。

2019年のテーマは、「日本を元気にする美しくも過酷なレース」。今年の全走行距離は765.6kmの予定だ。昨年からの変更点などについてお伝えしていこう。

text&photo:滝沢佳奈子

TOJは東京五輪選考レースとしても重要な役割を担う

石黒氏が会の始まりに挨拶をする
橋本氏も駆けつけ、コメントした

会の始まりには、石黒克己会長より挨拶があった。

「トラックでいうと新田選手や小林選手がメダルを獲得して、東京オリンピックに向けて希望が出てきましたが、ロードの方はまだまだじゃないかという状況かと思います。

今年、来年のツアー・オブ・ジャパン(TOJ)は日本代表選考レースの一つであり、来年のTOJが終わった時点での獲得ポイントで日本代表が決まるということになります。

今回は海外から7チーム、国内から9チーム参加します。この大会で日本人が多くポイントを取って、日本代表の座を獲得してほしい」と話した。

続けて、日本自転車競技連盟会長である橋本聖子もエールを送った。

「何と言っても東京オリンピックで日本の選手が一番最初にゴールを切ることが一番高い目標です。全力を尽くして大会との連携強化を行いながらしっかりとサポートをしていきたいです。」

今年もBS日テレで総集編を6月下旬に放送予定。また、スポーツブルでの無料ストリーミング配信も予定されている。自転車アンバサダーの稲村亜美さんもストリーミングに一部参加するとのことだ。

また、このストリーミングでは、残り距離やタイム差表示をブライトン提供で行う予定だ。

スペシャルトークショーでは日本ナショナルチームを率いる浅田顕監督が登場。東京オリンピックのコースについてや、有力選手について栗村修大会ディレクターと話を交えた。

TOJの富士ステージは「これは2回登ればいい」と話し、周りは苦笑い。だが、浅田監督はいたって本気だ。「選手は時間が短い方がきついんですよ」と話していた。

浅田監督は、「とにかくTOJでは、日本人に勝ってほしい」と力強く語った。「日本人が活躍するのを見るために例年にないセレクションをしました。福島晋一選手以来の総合優勝を見たい」と栗村氏も話した。

会場に集まったお客さんがALLEZ! Tシャツを着て選手たちを応援!
スペシャルトークショーに登場した浅田監督と栗村大会ディレクター、TOJキッズでスバルの車の前で記念写真

出場予定の全16チーム

昨年も出場したNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネの中根英登も出場を予定。総合に期待がかかる
昨年京都ステージで勝利をあげた雨澤毅明もチームを変えて、リュブリャナグスト・サンティックのメンバーとして出場するかもしれない
2018年総合優勝を果たしたマルコス・ガルシア擁するキナンサイクリングチームも出場する

今年は海外7チーム、国内9チームがTOJに参戦。1チームあたり6選手が出場する。

東京オリンピックに向けてポイント獲得が命題となる中で、主催者としても厳しいコースで日本人に活躍してもらいたいと願う。

それもあり、日本人が入った海外チームも多く選考された。

【2019TOJ 出場チーム】

プロコンチネンタルチーム

・NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ(イタリア)

海外コンチネンタルチーム

・トレンガヌINC.TSGサイクリングチーム

・HKSIプロ・サイクリングチーム(香港)

・チームブリッヂレーン(オーストラリア)

・チームザウアーランドNTW P/B SKS ジャーマニー(ドイツ)

・リュブリャナグスト・サンティック(スロベニア)

・ジョッティヴィクトリア・パロマール(ルーマニア)

国内コンチネンタルチーム(アジアツアーランキング順)

・キナンサイクリングチーム

・チーム右京

・インタープロサイクリングアカデミー

・マトリックスパワータグ

・チームブリヂストンサイクリング

・宇都宮ブリッツェン

・シマノレーシングチーム

・愛三工業レーシングチーム

ナショナルチーム

・日本ナショナルチーム

各ステージコースと変更点

伊豆ステージが12kmコースから8kmに変更。どの程度の影響が出るか

コースは大きな変更はないが、細かい変更点として、3点。

1点目は、クイーンステージとなる富士山ステージで、過酷な富士あざみラインを最後に越えるのは変わらないが、あざみラインまでに至るコースが変更される。

昨年も富士スピードウェイからのスタートとなったが、特に大きな逃げなどはできず、あざみラインでの飛び出しで勝負が決まった。2019年の変更も大きな影響はあまりないだろう。

2点目は、伊豆ステージの日本サイクルスポーツセンターでのコースが例年では1周12kmでのコースを使っていたが、来年の東京オリンピックに向けてMTBコースとBMXコースを整備中ということで、今年は8kmコースを使用する。

上りと下りしかないと言われているコースで、1周回あたりの距離が短くなることでタイムアウトも厳しくなる。ここでリタイヤ者が大量に出てしまうことも考えられる。

「それは私は仕方ないと思っています。東京オリンピックはさらに厳しいコースが設定されています。選手達には申し訳ないですが、生き残ってください」と栗村修大会ディレクターは話す。

3点目は、東京ステージの小さな変更だ。例年日比谷公園からスタートしていたが、要人の来日により使用できない可能性があるため、大井埠頭の周回コースのみとされている。まだ確定していない部分に関しては、追ってTOJのHPで発表される。

◆各ステージ詳細◆

第1ステージ 【大阪府・堺】

5/19(日)13:35

大仙公園周回コース

2.6㎞(個人タイムトライアル)

獲得標高 = 10m

第2ステージ 【京都府・京都】

5月20日(月)9:25(セレモニーラン)

(セレモニーラン:普賢寺ふれあいの駅→同志社大学京田辺キャンパス→普賢寺小学校5.5㎞)

普賢寺小学校前→けいはんなプラザ周回コース

<パレード3.4㎞> + <4.2㎞ + 16.8㎞ x 6周 = 105.0㎞>

獲得標高 = 1836m

第3ステージ 【三重県・いなべ】

5/21(火)9:20

阿下喜駅前→下野尻交差点→いなべ市農業公園(梅林公園)周回コース

<パレード3.1㎞> + < 8.6㎞ + 14.8㎞ x 8周 = 127㎞>

獲得標高 = 1650m

第4ステージ 【岐阜県・美濃】

5/22(水)9:15

旧今井家住宅前→横越→美濃和紙の里会館前周回コース

<パレード4.0㎞> + <11.6㎞ + 21.3㎞ x 6周 = 139.4㎞>

獲得標高 = 1218m

第5ステージ 【長野県・南信州】

5/23(木)9:15

飯田駅→下久堅周回コース→松尾総合運動場前

<パレード7.3㎞> + <12.2㎞ x 10周 + 1.6㎞ = 123.6㎞>

獲得標高 = 2580m

第6ステージ 【静岡県・富士山】

5/24(金)10:50

須走商店街→富士スピードウェイ西ゲート→富士スピードウェイ外周路周回コース→須走商店街→ふじあざみライン

<パレード6.2㎞> + <8.5㎞ + 8.3km + 19.2㎞ = 36㎞>

獲得標高(ふじあざみラインのみ) = 1147m

第7ステージ 【静岡県・伊豆】

5/25(土)10:00

日本サイクルスポーツセンター周回コース

< 8㎞ x 15周 = 120㎞>

第8ステージ 【東京都・東京】

5/26(日)11:00

大井埠頭周回コース

<パレード未定> + < 7.0㎞ x 16周 = 112㎞>

獲得標高 = 100m

総走行距離 = 765.6km(予定)

ツアー・オブ・ジャパンHPは

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