全国初の証人尋問実施へ 安全保障関連法訴訟で前橋地裁

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 集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法の成立で平和的生存権や人格権が侵害されたなどとして、群馬県民ら208人が国に1人10万円の損害賠償などを求めた民事訴訟の第7回口頭弁論が27日、前橋地裁(渡辺和義裁判長)であり、宮崎礼壹(れいいち)元内閣法制局長官ら3人の証人尋問が6月13日に実施されることが決まった。市民らが全国で起こした同様の訴訟で、全国初の証人尋問となる。原告弁護団は「日本が70年余り続けてきた平和主義や憲法9条に正面から反する立法であると立証したい」としている。

 宮崎氏は集団的自衛権の行使容認を違憲とする立場。ほかの2人は東京新聞の半田滋・論説兼編集委員と憲法学者の志田陽子・武蔵野美術大教授。これまでの口頭弁論で原告側は、国側が憲法判断が不要と主張しているのに対し、安保法制の違憲性が最も重要だと指摘。政府の憲法解釈に高度な知識を持っているなどとして、3人を証人として申請していた。

 証人尋問を巡っては、東京地裁で宮崎氏らの証人申請が退けられたほか、札幌地裁では実施するかの判断を示さずに口頭弁論が終結するなどしており、実現していなかった。原告弁護団は閉廷後の記者会見で「画期的だ。裁判所が憲法判断をしないという従来の立場から初めて踏み込む可能性が出てきた」と評価した。

 また、この日の口頭弁論では、原告団の一人で前橋市の小林美代子さん(78)が意見陳述。「戦後初めて平和な日常を送り、戦争をしてはいけないと深く脳裏に焼き付いた。法律の成立で私の人生が全否定されたと思った」と述べた。