投打がっちり大分 エース長尾が粘投【大分県】

県勢初の2校突破

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初戦を突破し応援席に向かって駆け出す大分ナイン=27日、甲子園球場
松山聖陵に勝利し、笑顔でハイタッチする長尾(右)と江川

【甲子園臨時支局】

 第91回選抜高校野球大会第5日は27日、甲子園球場で1回戦3試合があった。県勢は第2試合で大分が松山聖陵(愛媛)との初戦に臨み、4―1で勝ち、春夏通じて初の甲子園1勝を挙げた。県勢が2校同時出場し、そろって初戦を突破したのは初めて。

 このほか地元の明石商(兵庫)が国士舘(東京)に7―1で大勝し、春夏を通じて初出場の啓新(福井)が、昨秋の関東大会王者の桐蔭学園(神奈川)を5―3で破った。この結果、大分は大会第8日(30日)の2回戦第2試合で明石商(兵庫)との対戦が決まった。

 また明豊ナインは兵庫県西宮市の鳴尾浜臨海公園野球場で調整。練習後に大分の初戦突破を聞いた川崎絢平監督は「2校が初戦を突破し、大分県の野球が全国に通用することを証明できた。大きな一歩」と喜んでいた。

 大会第6日は28日、1回戦残り1試合と2回戦2試合がある。

▽1回戦

 松山聖陵―大分(11時51分、22,000人)

松山聖陵(愛媛)000 000 010|1

大  分      200 000 02X|4

【評】

 主砲の一打で先制し、エースが力投した大分が松山聖陵(愛媛)との熱戦を制し、甲子園初勝利を挙げた。

 大分は初回、1死一、二塁で4番中尾が右中間を破る適時二塁打で2点を先制した。

 次の得点は遠かったが、1点を失った直後の八回、安藤の適時打で2点を加え、突き放した。

 エース長尾は走者を出しながらも、巧みな投球術と抜群の制球で要所を締めた。八回に3連打で1点を失ったものの、長打は二回の二塁打1本に抑えて完投した。

 最後の打者を左邪飛に打ち取ると、大分のエース長尾凌我(2年)はほっとした表情を浮かべ、捕手江川侑斗(同)とハイタッチを交わした。自慢の制球は最後まで乱れず、1失点の完投勝利。141球の熱投だった。

 六回まで毎回、走者を出しながらもあと1本を打たせず、スコアボードに0を並べた。七回に初めて三者凡退に抑えたが、八回にピンチが待っていた。

 1死後、この試合初めて連打を浴び、守備のタイムで「一つずつアウトを取ろう」と確認。だが直後に左前に落とされて1点を失った。リードはわずか1点。だがエースに焦りはなかった。見逃し三振と遊飛で後続を断ち、最少失点で切り抜けた。最終回も先頭打者を歩かせたが、後続をぴしゃりと抑えた。

 完投で甲子園初勝利に貢献したエースは「緊張したが、すぐに落ち着けた。絶対にマウンドを譲らないという思いで投げ抜いた。長打を許さなかったことが良かった。(勝利は)うれしい」と振り返る一方、「明豊と決勝で戦うためにも、次もしっかり抑えて勝つ」と表情を引き締めた。

初勝利に感動した 大分・松尾篤監督の話

 選手たちがよく頑張ってくれ、甲子園初勝利に感動した。相手投手が良く、我慢の時間が長かったが、主砲が打ち、バッテリーが踏ん張り、よく守り、いつも通りのプレーができた。次も強敵だが一戦必勝でぶつかる。

「勝たせたかった」

 大会出場決定後に監督が暴力問題で謹慎処分となり、コーチから昇格した松山聖陵の中本監督は「自分の責任。勝たせてあげたかった」と悔しさをにじませた。

 一回に2点を先制された後は、継投策で終盤まで追加点を許さなかった。だが打線が8安打で1得点とつながりを欠いた。「もう一度ここに帰って来て勝たないと」と雪辱を誓った。