QR決済 導入タクシー続々 利便性向上へ 佐世保など先行 来月から長崎で約1500台

 スマートフォンのアプリを使ってコードを読み込み、銀行口座やカードにひも付けて決済する「QRコード決済」の導入が、長崎県内のタクシー事業者で進んでいる。佐世保市を中心に運行する長崎第一交通グループは18日から「ペイペイ」など三つのサービスを導入済み。4月1日からは、長崎市近郊を中心にタクシーチケットを取り扱う長崎タクシー共同集金が、加盟社の計1460台に「楽天ペイ」を導入する計画だ。
 決済のキャッシュレス化は、東京五輪の開催やインバウンド(訪日外国人客)の増加などを背景に全国的に拡大中。政府は10月の消費税率引き上げに合わせ、キャッシュレス決済のポイント還元制度の導入を予定している。
 こうした流れを受け、長崎第一交通グループはソフトバンクとヤフーが運営するサービス「ペイペイ」と、中国系のサービス「ウィーチャットペイ」「アリペイ」を佐世保、島原両市内の69台に導入した。西山輝明社長は「まだ利用件数は少ないが、今はお客さんに慣れてもらうことが大事。消費税の引き上げなどをきっかけに、さらにキャッシュレス化の流れが加速するだろう」と期待する。
 長崎タクシー共同集金は同社の決済システム「NTネットワーク」に加盟する34社と一つの個人タクシー組合の車両に「楽天ペイ」を導入する。今回の導入では熊本県と大分県のタクシーチケット事業者とも連携。地域住民だけでなく、九州を訪れる観光客の利便性向上も狙う。
 4月中には長崎市近郊の3社でつくる安全タクシーグループが「ペイペイ」を独自で導入する。車両は約50台で、すでに乗務員向けの説明会を開催。同社は「特に中国からのインバウンドの利用に期待したい」としている。

QRコード決済を導入したタクシー=佐世保市相浦町、長崎第一交通佐世保営業所

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