阪神糸井、開幕直前インタで激白! 超人伝説はまだまだ続く「年齢を言い訳にしたくない」

独占インタビューで今シーズンへの抱負を語った阪神・糸井嘉男【写真:荒川祐史】

昨年は17年ぶりの最下位「やっぱりチームが勝たないと面白くないでしょ」

 2018年は17年ぶりの最下位という屈辱を味わった阪神タイガース。巻き返しを狙う今季、並々ならぬ思いを胸に開幕を迎える男がいる。虎の超人・糸井嘉男外野手だ。開幕直前に「Full-Count」のインタビューに応じ、熱い思いを激白した。

 移籍3年目を迎える2019年シーズン。昨季は119試合に出場し打率.308、16本塁打、68打点、22盗塁の成績を残したがチームはまさかの最下位に低迷。屈辱のシーズンを味わった糸井の口から出た言葉は実にシンプルだった。

「勝ちたいよ! 勝ちたい! 去年は最下位なんでね。ほんまに勝ちたい! 今はほんまにそれだけですね。個人のこともありますけど、やっぱりチームが勝たないと面白くないでしょ」

 オフには恒例となったソフトバンク・柳田、オリックス・吉田正らと合同自主トレで肉体を徹底的に鍛え上げた。春季キャンプ、オープン戦(8試合、15打数7安打、1本塁打、7打点、打率.467)を順調に消化し開幕は万全の状態で迎えられそうだ。今年38歳を迎えるシーズンだが肉体は年々進化している。

「オフから自分なりにやってるつもり。柳田とか吉田正らと一緒にやって。自分より上というか凄い成績残している人と一緒に練習することでね。この年齢なったら『これでええわ』って甘えも出るじゃないですか? そういうのが無くなる。どうやったらうまくなるかとか色々、追求したりね。だから一緒にトレーニングすることで自分も気づかされるから」

現在、現役トップの通算288盗塁、300盗塁は目前だが「350、目指そっかぁ!?」

 走・攻・守と全ての面で高いレベルを自身に求めている。打撃は勿論だが、今季は足で大台突破の期待がかかる。通算288盗塁は現役選手の中では断トツの1位。順調にいけば今シーズン中に300盗塁を達成する。打撃、守備で貢献するベテラン選手はいるが、足で魅せる選手は糸井だけともいえる。

「そうなの? じゃあ300を超えて350、目指そっかぁ!?(笑)。やっぱり(盗塁に)興味あるから。もう一つの戦いじゃないですけど、打席以外でもう一つ勝負できるから。そのために体のことも考えてやっている。トレーニングやら、摂取するものとか考えてやっている。年齢を言い訳にしたくない。まだまだ、体が動けているのでね」

 今年は初動負荷トレーニングも取り入れるなど、肉体はさらに進化。ベテランと呼ばれるのに違和感を感じるのか?

「福留さんがいるからねぇ……。 やっぱり凄い機敏に動かれるし、バッティングも技術が凄いからあの年齢でもあそこまでできる。見ててもすごい技術だなと思える。福留さんを見ているからまだまだ僕も。もっとやらなアカンって思いますよ。初動負荷トレーニングも取り入れてね、ウエートも好きだから両方やってますよ」

ここまで5年連続で安打を重ね、開幕戦通算は打率.340「気持ちも高ぶっている」

 開幕戦はオリックス時代の2014年からここまで5年連続でヒットを放ち、通算でも47打数16安打、打率.340と好スタートを切っている。

「打ってない年ある? (2013年は6打数無安打と知り)嘘やん!!(笑)。でも、やっぱり気持ちも高ぶっているし、緊張感、不安もあるけど143試合は長い道のり。そこが全てじゃないですけど、いいスタートを切れるにこしたことないですから。6タコした時なんかは『次の日に絶対3本打ったるわ!』ってね。シーズンは長いから切り替えも大事ですよ」

 開幕前には憧れの存在でもあったイチロー選手が現役を引退。オリックス時代の2013年に初対面し、これまで何度か共に練習も行ってきただけに寂しさも感じている。

「スーパースター、というか神様的な存在。一緒に練習しても子供にかえったような気持ちでやらせてもらった。キャッチボールが一番印象的でしたね。その頃にイチローさんは40歳前後だったと思うのですが、今までキャッチボールした中で一番、凄い球を受けさせてもらった。本当に凄い方ですね」

 いよいよ2019年の開幕を迎える。今年の目標は?

「やっぱり活躍してチームとして勝っていきたい! 個人としてはキャリアハイを目指していきます!」(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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