「SPACE SHOWER NEW FORCE 2016→2019」が終幕! PELICAN FANCLUB、ReN、Attractions、Sano ibuki、ニトロデイ、Rude-α、さなりが出演したイベントの模様はスペシャで5月放送!

近い将来にブレイクが期待されるニューカマーをスペースシャワーTVがピックアップし、 紹介する企画「SPACE SHOWER NEW FORCE」のライブイベント「SPACE SHOWER NEW FORCE 2016→2019」が、 3月26日に渋谷WWWで開催された。

あいみょん、 Suchmos、 DAOKO…といった紅白出演アーティストを選出してきた「SPACE SHOWER NEW FORCE」(以下、 NEW FORCE)が、 企画開始から3年目を記念して、 2016年から2019年の選出アーティスト7組によって開催された今回のイベント。 PELICAN FANCLUB、 ReN、 Attractions、 Sano ibuki、 ニトロデイ、 Rude-α、 さなりといったジャンルはバラバラでありながらも、 各シーンの未来を担うホープが集結した。

トップバッターは、 小学校低学年でYouTube、 ヒップホップに出会った若干16歳のラップアーティスト・さなり。 今年の「NEW FORCE 2019」にただ一人先行して選出された新星だ。 DJエディと共にステージに入場するや否や、 会場には黄色い歓声が響く。 SKY-HIプロデュース「悪戯」で、 緩急あるスリリングなフロウを叩き込む。 「悪かったのでこここからは優しく」という予告から、 「Dream」「Pasque」という淡くポップなラップを展開。 ラストは「君の知らないところに行きたい」といった真っ直ぐでドリーミーなラブソング「Prince」を届けた。

リハーサルからアドレナリン全開、 低音域をビリビリ響かせたRude-αがライブの幕開けに選んだのは「19」。 ISSEIのヒューマンビートボックスに乗せて、 Rude-αがリリックを対面で畳み掛けていく。 スクラッチ音から華やかなサウンドがフロアを包み、 「Mirror Ball」へ。 「NEW FORCE 2018」に選出された沖縄出身・Rude-αの最大の魅力は、 観るものを惹きつけるそのポジティブ性だろう。 「テレビ点けたらつまんないことばっかでしょ。 そういうものからみんなを抜け出させるために俺たちは音楽をやってるんだよ。 この夜を一緒に抜けて行こうぜ!」そう言ってファンと共に全力でライブを楽しんでいく。 日本武道館でのワンマンライブを高らかに宣言し、 東京で歌う理由をシンプルなピアノサウンドと力強いリリックに込めた「Happiness」で自身のアクトを終えた。

Rude-αと同じ「NEW FORCE 2018」選出の福岡からアジア、 世界に向けて音を鳴らすことを掲げるバンド・Attractions。 日本とインドネシアのハーフであるTARO(Vo)を中心とした4人は、 UKロックやブラックミュージックを土壌としたアグレッシブなサウンドをぶつけていく。 野心の滾った表情で歌うTAROが、 「踊る準備はできてますか」と煽りスタートしたのが「Baby Relax」。 続く「Hazy Boy」ではダンスグルーブにフロアが揺れ、 ワンマンでやったばかりだというアグレッシブな新曲には、 80’sのディスコカルチャーやニューウェーブを感じさせた。 「『NEW FORCE』は夢を見る人たちが集まっているイベントだと思います」というMCの後に届けられた「Future」では、 TAROの勇ましいパフォーマンスが炸裂した。

2017年に本格的な活動を開始し、 「NEW FORCE 2018」に選出されたSano ibukiは、 ギター1本とスタンドマイク、 サポートのキーボードというシンプルな2人編成で登場する。 唯一のMCで言葉にした「歌の中に込めた僕の曲で何か伝わればいいなと思います」の通りに、 彼のパフォーマンスからの情報量はとても少なく、 楽曲には膨大なメッセージ性、 世界観が広がっている。 今にも消えてなくなりそうだけれど確かな存在感を示す「sentimental」、 一人舞台に立ちギターを力強く掻き鳴らす「シオン」、 ラストは再びキーボードを迎えての「春霞」。 スタンドマイクの前で両手を握り合わせたり、 「ここに」「不安」「涙」といった歌詞をジェスチャーで表していく。 蒼さを滲ませながらも、 気高き信念を感じさせる歌声と立ち振る舞いだった。

Sano ibukiとは対照的な存在感を見せたのが、 「NEW FORCE 2018」選出の4人組ロックバンド・ニトロデイ。 MCは一切なし。 セットリスト7曲をひたすらにオーディエンスへぶちかましていくスタイルだ。 NUMBER GIRLやSonic Youthなどのオルタナティブロックをルーツに、 鋭角なバンドサウンドを爆音で繰り出す。 小室ぺい(Gt & Vo)の吐き捨てるような絶叫は、 轟音のど真ん中に存在する。 「ジェット」から休みなく続いたパフォーマンスは、 ラスト「ユース」へ。 間奏では4人が向かい合って、 そのサウンドをさらに歪ませていく。 アウトロでは颯爽とステージからメンバーが姿を消し、 ディレイをかけた耳をつんざくギター音だけがフロアに響いていた。

PELICAN FANCLUBは、 初年度「NEW FORCE 2016」で選ばれたスリーピースロックバンド。 ダウナーでいてリズミカルな「ハイネ」に始まり、 「Night Diver」でドラマチックなサウンド展開を描く。 エンドウアンリ(Vo & Gt)が「引き続きビターなPELICAN FANCLUBを」と告げると、 バンドは激しいポストパンク「ハッキング・ハックイーン」へ。 エンドウのフレーズ運びが心地よいドリームポップ「Telepath Telepath」、 ポジティブなメッセージが詰まったキャッチーな「記憶について」でアクトを終えた。 時折見せるエンドウのしゃがれたシャウトからは、 バンドが持つ今にも破裂しそうなロックの系譜を感じさせた。

イベントのトリを飾ったのは、 「NEW FORCE 2017」選出のシンガーソングライター・ReN。 エド・シーランを筆頭としたUKミュージックに衝撃を覚えた彼は、 20歳の春から音楽活動を始め、 ギター1本とシンセサイザー、 ループステーションで様々な音を重ねていき、 その瞬間にしか奏でられないライブ空間を作っていく。 「楽しみ方は自由です。 みんなの体を揺らして、 それぞれのグルーブで楽しんでいってください」というMCが示すように、 ReNの音楽は自由だ。 「Illumination」ではオーディエンスのクラップさえも味方に取り込む。 ラストは壮大なサウンドへと展開する「Lights」でライブを締めた。 温かいアンコールに迎えられ、 再びステージに登場したReNは、 初めてライブで披露する新曲「Hurricane」をプレイ。 ギターのアルペジオ、 ボディを叩くスラム奏法、 シンバルのサウンドを奏でるシンセ、 コーラス…と複雑なリズム、 サウンドをループステーションで重ねていくパフォーマンスは今のReNにしかできない圧巻のパフォーマンスだった。

ライブイベントには、 その会場、 その瞬間にしか生まれない熱量やグルーブ、 空気感がある。 ジャンルは違えど、 全7組が会場を自身の色に染め上げていく光景は、 新たな息吹が様々なフィールドで活躍していく輝かしい未来を確信させた。 そして、 さなりが先行して選出された「NEW FORCE 2019」にアンテナを向けることが、 今最も先鋭的な音楽シーンを辿る道標になるとも言えるだろう。 (取材・文=渡辺彰浩/撮影=nishinaga “saicho” isao)

さなり
M1.いつも通り/M2.悪戯/M3.キングダム/M4.Dream/M5.Pasque/M6.Prince

Rude-α
M1.19/M2.Mirror Ball/M3.この夜を越えて/M4.Take me back/M5.Boy Meets Girl/M6.Train/M7.Happiness

Attractions
M1.Knock Away/M2.Baby Relax/M3.Hazy Boy/M4.Rock'n the Weekend/M5.新曲/M6.Future

Sano ibuki
M1.sentimental/M2.シオン/M3.春霞

ニトロデイ
M1.ジェット/M2.ボクサー/M3.ヘッドセット・キッズ/M4.アンカー/M5.レモンド/M6.ユース

PELICAN FANCLUB
M1.ハイネ/M2.Night Diver/M3.VVAVE/M4.ハッキング・ハックイーン/M5.Dali/M6.Telepath Telepath/M7.記憶について

ReN
M1.Life Saver/M2.What I’m Feeling/M3.Illumination/M4.存在証明/M5.Lights/EN.HURRICANE

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