三菱地所と立命大、ロボット活用協定 警備など実験、来年にはビルでも本格化

協定調印後に握手を交わす三菱地所・吉田社長(右)と立命館・仲谷総長。右から2つ目がシークセンス社の警備ロボット

三菱地所と立命館大学は28日、ロボット活用を主とした「戦略的DX(デジタルトランスフォーメーション)パートナーシップ協定」を締結した。警備や清掃、運搬など幅広いロボット活用に関する実験を立命館大学のキャンパスで実施。東京オリンピック・パラリンピックの行われる2020年には本格的に三菱地所の所有・管理するビルでも活用を行っていく方針。

三菱地所では働き方改革など社会課題の解決や環境変化への対応へ、デジタルテクノロジーを活用したビジネスモデル革新を推進している。同社の物件で既に警備や清掃、運搬のロボット活用の実証実験を行っているほか、自律移動型警備ロボットの開発を行うSEQSENSE(シークセンス)社に5億円を出資。ALSOKが大手町・丸の内・有楽町エリアの三菱地所のビル警備にシークセンス社のロボットを使用している。

立命館大学は2030年を見据えた「学園ビジョンR2030」の中で未来社会を描くキャンパス創造を掲げている。28日に東京都千代田区の三菱地所本社で行われた締結式において学校法人立命館総長で立命館大学長の仲谷善雄氏は「キャンパスをモデルフィールドとし、実験を行う。ロボットも社会実装につなげたい」と説明。滋賀県草津市にあるびわこ・くさつキャンパスや、大阪府茨木市にある大阪いばらきキャンパスで清掃や警備、運搬のロボットのほか、多言語対応のコミュニケーションロボットも使用し、実験を行う。この結果を三菱地所のロボット活用に生かしていく。

三菱地所では自社施設での実証実験をフェーズ1、そして立命館大学との協定締結とキャンパスでの取り組みをフェーズ2に位置付け。フェーズ3が事業展開となる。吉田淳一社長は「五輪も近く、警備のあり方にも役立てればと思う。2020年には成果を感じてもらえるようにしたい」と述べ、2019年度にもロボット活用の事業展開を何かできるようにとの意欲を示した。

三菱地所と立命館大学は経済産業省ロボット政策室とも協議しており、この取り組みを産官学で連携して進めるほか、警備や清掃など複数のロボットが連携し効率的な作業が行える仕組みづくり、人間が抵抗なくロボットと共存できる社会などについても研究を進める。

■ニュースリリースはこちら
http://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec190328%E2%80%97ritsumeikan.pdf

(了)

ご担当者様へ:
防災・危機管理関連の新製品ニュースリリースは以下のメールアドレスにお送りください。risk-t@shinkenpress.co.jp

リスク対策.com:斯波 祐介

© 株式会社新建新聞社