「海で働く者として当然」 座礁の漁船員を救助 対馬の漁業者2人に感謝状 

 比田勝海上保安署は26日、対馬で座礁した漁船の船員を救助した、いずれも長崎県対馬市上対馬町の漁業、扇康一さん(64)と細井尉佐義(いさよし)さん(46)に感謝状を贈った。
 同保安署によると、2月3日朝、上対馬町舌埼(したさき)灯台の南約600メートル沖にある浅瀬で、地元漁協所属の漁船(5.5トン)が座礁して転覆。乗り組んでいた男性(82)と孫の男性(28)が岩場にはい上がり、孤立した。通報を受けた県水難救済会上対馬救難所が、現場近くに住む扇さんに救助を依頼。扇さんは所有する漁船で細井さんと現場に急行し、2人を救助した。
 表彰式は上対馬町漁協であり、同保安署の幸田守十(もりみつ)署長は「迅速かつ勇敢な行動で人命を救助した」とたたえた。扇さんは「一人で船に上がれないほど消耗している様子だった。助けられてよかった」、細井さんは「海で働く者として当然のことをしたまで」とそれぞれ語った。

人命救助で感謝状を受けた扇さん(前列中央右)と、細井さん(同左)=対馬市、上対馬町漁協

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