松が枝2バース化で調査費 国交省方針 基本設計など3000万円

 長崎港松が枝埠頭(ふとう)に大型船が2隻同時に着岸できるようにする2バース化について、国土交通省が2019年度政府予算に、2バース化に向けた事業化検証調査費を3千万円程度計上する方針を固めたことが28日、関係者への取材で分かった。
 県や、官民でつくる長崎港クルーズ研究会などはこれまで、大型クルーズ船の受け入れ環境改善に向け、2バース化の早期事業化を国に要望していた。調査費が付くことで実現へ大きく前進しそうだ。
 関係者によると、事業化検証調査では、松が枝埠頭再編も含む施設配置計画を検討したり、岸壁などの基本設計、事業費、工程も検討する。クルーズ需要の動向や費用対効果も分析する方向という。
 2バース化を巡っては、石井啓一国土交通相が2月に現地視察した際、「地域を挙げて計画しており非常に強い取り組み。新規事業化について検討したい」と前向きな姿勢を示していた。
 県によると、2バース化計画は、埠頭(360メートル)を15万トン級の大型船にも対応できる410メートルに延伸し、その南側に7万トン級対応の320メートルの岸壁を新設する内容。18年に岸壁不足などで受け入れられなかったクルーズ船は250隻以上に上るなど、受け入れ能力向上が課題になっている。
 県港湾課は調査費の予算化について「(国から)聞いていない」とした上で「付けば前進となる」としている。

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