あまりの衝撃的内容にお蔵入り,「殺人は息をするのと同じ」規格外のシリアルキラー『ヘンリー』初Blu-ray化決定!

『羊たちの沈黙』(91)のレクター博士のモデルともなったといわれる、300人以上を殺害した実在の怪物、ヘンリー・リー・ルーカスを描いた最恐のシリアル・キラー映画『ヘンリー』のBlu-rayとDVDの発売が決定し、セルBlu-rayの特典として30周年記念予告編、監督インタビュー、メイキング、アウトテイクなどが収録されることも決定した。発売日は6月12日(水)、今回が初Blu-ray化となる。

4年間のお蔵入り…いわくつきながら各映画祭が絶賛!

1986年アメリカ製作の映画『ヘンリー』は完成から数年間、本国アメリカでお蔵入りとなり、1990年にやっと正式に公開し日本では1992年に劇場公開された作品。70年代後半~80年代にかけて、全米で300人以上を殺害したといわれる連続殺人鬼で、ハンニバル・レクターのモデルの一人ともいわれているヘンリー・リー・ルーカスの日常を淡々と凍るような冷たさで描いた犯罪スリラー。完成した1986年当時、『13日の金曜日』(80)のような観客を楽しませるホラー映画を望んでいた出資会社は、本作の一切の感情を寄せつけない冷徹な内容に唖然。さらにはMPAA(アメリカ映画協会)によりX指定(17歳以下の鑑賞全面禁止)を受けたことにより数年間正式な劇場公開が見送られた。しかしながら、ジャンル映画の最高峰といわれるシッチェス国際ファンタスティック映画祭でグランプリのほか批評家賞、監督賞と三部門を受賞したほか、ポルト映画祭ではグランプリ、最優秀脚本賞、主演男優賞を受賞、シアトル国際映画祭では主演男優賞を受賞するなど作品として高い評価を得た。

息をするように殺人を犯す・・・サスペンス好きにはたまらない衝撃作!

『ヘンリー』の主人公のモデルとなった実際のヘンリー・リー・ルーカスは、殺人について「殺人は息をするのと同じ事だった」と語っている。シリアルキラーが登場する作品といえば、『羊たちの沈黙』(91)、『セブン』(95)、『冷たい熱帯魚』(10)など名作があるが、本作は現在に続くシリアルキラー映画の系譜におけるもっとも重要な作品の一つである。作品の放つ空気と徹底したドキュメンタリータッチの描写で<史上最も恐ろしい映画>のひとつとして映画史に残る衝撃作であり、ガーディアン紙の「映画史上最も恐ろしい一瞬ベスト10」では8位に選出され、イギリス版エスクァイアが発表した「シリアルキラー映画トップ10」にも選出されている。また『ミスター・ガラス』(18)や『パラノーマル・アクティビティ』シリーズなどの製作総指揮を手がけた手掛けたスティーヴン・シュナイダーが選ぶ「死ぬまでに観るべき1001本」にも選出されている。

ジョン・マクノートン監督&主演のマイケル・ルーカ―の出世作!

本作で一躍名を高めたジョン・マクノートン監督は本作でマーティン・スコセッシ監督に認められロバート・デ・ニーロ主演『恋に落ちたら…』でハリウッド進出。サスペンス作品『ワイルドシングス』(98)なども監督している。また主演のマイケル・ルーカーは本作で映画デビューし、『ミシシッピー・バーニング』(88)、『クリフハンガー』(93)、『ボーン・コレクター』(99)のほか現在では『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズなどの大作映画や大ヒットドラマシリーズ「ウォーキング・デッド」のメインキャストとして人気を博し、来日も果たしている。

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