【福岡発 売り子名鑑2019】ジャンプ漫画を愛する清楚系美女 想定外だった売り子界の厳しさ

春から大学生になるキリンビールの「リサ」さん【写真:福谷佑介】

「少し変わった、他の人がしないようなバイトを」と売り子になった「リサ」さん

 2019年のプロ野球ペナントレースもいよいよ開幕の時を迎える。野球ファンにとって待ち望んだ季節がいよいよ到来する。白球を追う選手の一挙手一投足に熱狂する日々が始まる。

 野球の醍醐味であるスタジアムでの試合観戦。そのスタジアムの“華”として日々、汗を流して働いているのが、各ビールメーカーの売り子たち。10キロを超えるビールのタンクを背負い、階段ばかりの球場内を歩き回るのはかなりの重労働だ。そんな過酷な世界で奮闘する売り子たちは、それぞれが様々な想いを持って働いている。

 ソフトバンクの本拠地ヤフオクドームで働く売り子さんを紹介する人気企画が2019年もスタート。「福岡発 売り子名鑑2019」として、スタジアムで輝く売り子美女たちの素顔を紹介する。頑張る彼女たちの姿も、スタジアムでの野球観戦の楽しみの1つにしてもらえたら幸いだ。

 第1回から数回にわたっては、各メーカーイチオシのルーキー売り子を紹介。第2回はキリンビールの「リサ」さんだ。

 ヤフオクドームの一塁側内野スタンド(3番通路から10番通路)の間でキリンビールの売り子として働く「リサ」さん。つい先日、高校を卒業したばかりで、4月から大学生となる清楚な雰囲気を醸し出す美女だ。

 大学生となるのを機に売り子へと挑戦した彼女。「あまり人と被りたくない、少し変わった、他の人がしないようなバイトをしたいと思ったんです」という思いがあった。ちょっとした偶然もあった。入学予定の大学の説明会で言葉を交わした先輩学生がヤフオクDで売り子をしていた。その先輩に紹介してもらい、3月から売り子を始めた。

「もともとやってみたいとは思っていました。おのののかさんがやっていたというので知って、将来してみたいなと思っていました」。実際に働いてみると、思い描いていた世界とは全く違っていたという。「大変っていうイメージはなくて、笑顔でビールを売って、なんだかキャピキャピできる感じのイメージがありました」という「リサ」さん。働いてみると、その印象は一変。「めちゃくちゃキツイです。体力的にですね。筋肉痛にめちゃくちゃなります」と、肉体労働に体は悲鳴をあげているという。

 一緒に挑戦した友人は1日働いただけで、あまりのキツさに辞めてしまった。だが、「リサ」さんは、このまま続けていくつもりだ。「やっぱり買ってもらえた時は楽しさを感じますし、お客様とお話ししているときは楽しいです。キツイんですけど、その一杯買ってもらえるだけで、その疲れが忘れられます」と、やり甲斐を感じているからだ。

「ジャンプの漫画が好きなんです。この前、会社員の方にジャンプ漫画好きだよって話しかけてもらって、その方に『次もまた買うから来てね』と言っていただけた時は嬉しかったですね」。週刊少年ジャンプで連載されている「ONE PIECE」や「HUNTER×HUNTER」など少年漫画をこよなく愛する彼女。野球だけでなく、同じように少年漫画を愛するファンとの交流を楽しみにしている。

「この前、お客さんに、○○ちゃんどこにいますか?って聞かれたことがありました。その時に『私もわざわざお客さんに探してもらえるような売り子になりたいな』と思いました。わざわざ探しに来てまで、買ってくたださる人がいるんだ、というのは羨ましくて。そういう売り子になれたらなと思います」と、売り子としての目標を語った「リサ」さん。売り子としての1年が、ここからスタートする。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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