デビュー戦快投のルーキー甲斐野に鷹・工藤監督も興奮隠せず「称賛に価する」

ソフトバンク・工藤監督【写真:藤浦一都】

最後はデスパイネがサヨナラ打「ベンチが1つになっているのが伝わってきた」

■ソフトバンク 5-4 西武(29日・ヤフオクドーム)

 ソフトバンクは29日、ヤフオクドームで行われた西武との開幕戦をサヨナラで勝利した。終盤の8回に4点差を一気に追いつかれたが、延長11回にデスパイネのサヨナラヒットで勝利し、開幕戦白星を飾った。2イニング無失点のルーキー・甲斐野央投手がプロ初登板で初勝利を飾った。

 開幕戦からいきなり4時間15分の熱闘。サヨナラ勝ちで選手たちとハイタッチを交わした工藤公康監督は「初回から集中してゲームに入っていた。ベンチが1つになっているのが伝わってきた」と、劇的な勝利に安堵の表情を見せた。

 勝利こそならなかったものの、6回無失点の先発・千賀滉大投手については「失点しても仕方ないところ(6回表の1死満塁)で無失点に抑えるのはさすがというところ。161キロ? いつかは出るだろうと思っていました。勝ちを付けてあげられなかったのは申し訳ない」と語った。

 さらにプロ初登板でしっかりと仕事をしてみせたルーキー・奥村政稔投手には「初登板で思い通りにならないところもあると思いますが、素晴らしいピッチングでした」と称えたが、さらに指揮官がコメントのボルテージを上げたのが延長10回と11回を投げて初勝利を挙げた甲斐野についてだった。

「12回表、左打者のところで嘉弥真(新也)くん、右のところで松田(遼馬)くんも必要とと考えていたこともあって、4人(甲斐野、嘉弥真、松田、川原弘之)で3イニングを投げたら、もう1イニングいかせたいと思って」と甲斐野の回またぎについて説明。

 開幕からの延長戦。プロデビュー戦で快投を見せたドラ1右腕に工藤監督は「しんどかったと思うが、彼の持ち味を存分に発揮してくれた。西武打線を相手に逃げることなく向かっていったし、称賛に値する価値があると思います」と目を細めていた。(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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