「学校と違う所で頑張れる」 写真家の夢追う聴覚過敏の不登校児

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校内で写真展を開いた宇佐美芯太君。「野鳥は動きや目がかわいい」と話す(草津市草津3丁目・草津小)

 聴覚が過敏なため大きな音に不安を感じ、不登校になっている草津小(草津市草津3丁目)の4年生男児がこのほど、趣味で撮影した野鳥の写真展を校内で開いた。「学校と違う所で頑張っていることを知ってほしい」という教諭の思いから実現し、保護者や教育関係者らが足を運んだ。男児は「将来は写真家になりたい」と夢を膨らませている。

■水鳥の撮影に熱中

 宇佐美芯太君(10)=同市東草津2丁目。学校のチャイムや雷などの音が苦手で、緊張が高まって涙を流すことも。2年の終わり頃から学校に行きづらくなり、不登校の小中学生を対象にした適応指導教室に通っている。

 昨年7月に念願だった一眼レフカメラを購入した。当初は大好きな鉄道を撮っていたが、12月初旬に琵琶湖岸で水鳥を見かけ、「かわいい」ととりこになった。環境ボランティア団体「草津湖岸コハクチョウを愛する会」が同市志那町に構えた観察所や、長浜市の湖北野鳥センターなどでシャッターを切り続けた。

 作品を見た教育相談担当の北川美紀教諭(53)が「芯太君のすてきな力が伝われば」と校内での写真展開催を持ちかけた。羽を広げるコハクチョウや、至近距離でカメラに視線を向けるユリカモメなど一瞬を捉えた約70点を今月11~15日に展示し、芯太君がクラスメートに写真を紹介する機会もあった。

 母の尚代さん(47)は「カメラを手にしてからいろんなものに興味を持つようになった。たくさんの方と接するようになり、世界が広がったよう」と成長を喜ぶ。

 今夏には同会が水生植物公園みずの森(同市下物町)で毎年開く写真展に出品を予定する芯太君は「風景写真にも挑戦してみたい」と意気込んでいる。