【MLB】田中将大“4度目の正直”で開幕戦初勝利 過去10人の日本人投手が挑戦した舞台

ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

野茂英雄氏が過去3度 2003年には唯一の完封勝利も記録

 28日(日本時間29日)のMLB開幕戦で、ヤンキースの田中将大が開幕投手としてマウンドに立ち、勝利を挙げた。日本人投手のMLB開幕投手は、これが10回目。過去のマウンドを振り返ろう。

1.野茂英雄(タイガース) 2000年4月3日・アスレチックス戦
〇7回、3被安打3被本塁打8奪三振3与四球 自責点3

 敵地ネットワークアソシエイツコロセウムでの開幕戦。ブリュワーズからタイガースに移籍した、野茂が日本人初の開幕投手に。3被本塁打を打たれたもののチームは7-4で勝ち、開幕戦勝利。野茂がMLBに挑戦して6年目、31歳の時だった。

2.野茂英雄(ドジャース) 2003年3月31日・ダイヤモンドバックス戦
〇9回4被安打0被本塁打7奪三振1与四球 自責点0

 デビュー時のチーム、ドジャースに復帰して2年目。敵地バンクワンボールパークで開幕投手となり、ダイヤモンドバックスを見事完封。8-0で勝利した。開幕戦完封勝利は日本人ではこの一例のみ。

3.野茂英雄(ドジャース) 2004年4月5日・パドレス戦
●5回7被安打2被本塁打1奪三振2与四球 自責点7

 本拠地ドジャースタジアムで、2年連続の開幕投手となったが、フィル・ネイビン、ジェイ・ペイトンに本塁打を打たれるなど自責点7で敗戦投手に。35歳の野茂はこのシーズン4勝11敗に終わり、オフにFAとなり、翌年6月にレイズと契約するまで浪人生活を送った。

4.松坂大輔(レッドソックス)2008年3月25日・アスレチックス戦
5回2被安打1被本塁打6奪三振5与四球 自責点2(勝敗つかず)

 東京ドームでの凱旋試合。前年、15勝を挙げた松坂が開幕投手となる。立ち上がり2点を失う。被安打は2だったが5与四球と乱調。0-2の5回でマウンドを降りたが6回に味方が逆転。レッドソックスの5人目でマウンドに上がった岡島秀樹が勝ち投手となった。

5.黒田博樹(ドジャース) 2009年4月6日・パドレス戦
〇5回2/3、4被安打0被本塁打2奪三振1与四球 自責点1

 敵地ペトコパークでの開幕戦、2年目の黒田は立ち上がり1失点するが、以後は無失点。6回途中1失点の好投でマウンドを降りた。味方がリードを守り、4-1で勝利した。

2017年はダルビッシュ、田中が開幕投手を務めたが勝利ならず

6.田中将大(ヤンキース) 2015年4月6日・ブルージェイズ戦
●4回5被安打1被本塁打3奪三振2与四球 自責点4

 2年目の田中は本拠地ヤンキースタジアムで初の開幕投手の大役に挑んだ。2回までは無失点だったが、3回に連打、失策で失点。なおも走者がたまり、最後はエドウィン・エンカーナシオンの2ランでこの回5失点となり敗戦投手。

7.田中将大(ヤンキース) 2016年4月5日・アストロズ戦
5回2/3、4被安打1被本塁打4奪三振1与四球 自責点2(勝敗つかず)

 2年連続でヤンキースタジアムでの開幕投手。味方が2回に先制。田中は4回に1失点したものの勝利投手の権利をもって6回のマウンドに立った。しかし、カルロス・コレーアにソロ本塁打を打たれ、自らの勝利を消してしまった。

8.田中将大(ヤンキース) 2017年4月2日・レイズ戦
●2回2/3、8被安打2被本塁打3奪三振2与四球 自責点7

 敵地トロピカーナフィールドで3年連続の開幕投手となったが、この日は大乱調。立ち上がりから3点、2点、2点と失点を重ね試合を壊してしまった・

9.ダルビッシュ有(レンジャーズ) 2017年4月3日・インディアンズ戦
6回1/3、4被安打1被本塁打4奪三振5与四球 自責点4(勝敗つかず)

 この年は2人の開幕投手が出た。ダルビッシュは本拠地グローブライフパークインアーリントンでMLB6年目にして初の開幕投手。5回まで5-3と勝利投手の権利を持っていたが、7回途中、暴投で4点目を失ったところで降板。チームは逆転され勝利を失った。

10.田中将大(ヤンキース) 2019年3月28日・オリオールズ戦
〇5回2/3、6被安打0被本塁打5奪三振0与四球 自責点1

 日本人最多の4度目の開幕投手として本拠地ヤンキースタジアムのマウンドに上がり、6回二死までリードを保ち降板。7-2で勝利し、開幕戦初勝利となった。

 過去10回で、4勝3敗、3勝敗つかず。開幕投手は実力だけでなく、他の投手との兼ね合いや指揮官の思惑もあって決まる。それだけに「運」の要素も大きいことがわかる。(広尾晃 / Koh Hiroo)

© 株式会社Creative2