県議選・告示後初の週末 花見会場で支持訴え 繁華街では鉢合わせも

 県議選告示から最初の週末を迎えた30日、候補者らは支持を訴え各地を駆け巡った。花見客でにぎわう行楽地を回ったり、運動員を引き連れ繁華街を練り歩く“桃太郎作戦”で休日の有権者にアピールしたりするなど、舌戦もヒートアップ。候補同士の鉢合わせも起きた。
 支持を訴える場として「花見会場は“鉄板”」という大村市区の候補者は、人でにぎわう大村公園に現れた。約2時間かけて回り、ひたすら握手。花見客の記念写真も撮ってやるなどし、「親しみやすさ」を演出した。西彼杵郡区では、花に合わせピンクのシャツを身に着けた候補が桜の下に陣取るお年寄りたちにあいさつ。「頑張れよー」と声援が飛んだ。
 長崎市区では、中心部のアーケードを複数の候補が練り歩き、鉄橋で代わる代わる街頭演説。ある自民候補には無投票当選したばかりの現職が応援に駆けつけ、候補の実績を紹介したチラシを「しっかり読んでみてください」とお願い。演説が終わるやいなや国民民主の候補が入れ替わるようにして立ち、「若者たちが残れる古里をつくろう」とボルテージを上げた。
 佐世保市・北松浦郡区でも多くの候補や選挙カーがアーケードに姿を見せた。自民候補の一人は店先を回り、公園で将棋を指す男性に声をかけると「それより将棋をしよう」と誘われ苦笑い。途中、非自民候補と鉢合わせし「お互いに頑張ろう」とエール交換する場面もあった。
 対馬市区のある候補は漁業集落など23カ所でつじ立ち。水揚げする漁船を前に「(同市の人口約3万人のうち)漁業関係者は2千数百人。漁師が元気にならずして対馬が元気になるはずがない」と訴え、自らの浸透を図った。
 熱を帯びる舌戦に、有権者の関心や反応はさまざま。西彼長与町の男子大学生(21)は「気合を入れて投票に行くわけではない」と淡々とした様子で、「誰がどんな政策を打ち出しているのか、会員制交流サイト(SNS)で分かれば」。一方、諫早市の塾講師の男性(49)は「人口減少対策や産業振興、福祉サービスの充実などにどんな意見を持っているかを聞きたい」と語った。

花見客と握手し、支持を訴える県議選候補(中央)=大村市、大村公園(写真は一部加工)

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