「絶対捕れないと思った」鷹・柳田、自身も驚くプロの技が凝縮された美技

ソフトバンク・柳田悠岐【写真:藤浦一都】

7回2死一塁で金子侑が放った左中間への大飛球をランニングキャッチ

■ソフトバンク 3-1 西武(31日・ヤフオクドーム)

 ソフトバンクの柳田悠岐外野手が、チームを開幕3連勝に牽引した。30日、ヤフオクドームで行われた西武戦。6回に連日の逆転弾を放つと、7回には「プロイチ(プロで1番)」と自画自賛のスーパープレー。攻守に渡って大活躍した。

 1点ビハインドで迎えた6回1死から今宮が死球で出塁。1死一塁で打席に入った柳田は初球を逃さなかった。「打てると思った球を打ちにいけているかな」。西武先発の高橋光が投じたストレートが真ん中へ入った。快音を残した打球は左中間スタンドへと飛び込んだ。

 さらに、7回には「プロイチでした」と自画自賛のスーパープレーが飛び出した。2死一塁で金子侑が放った打球は左中間深くを襲う鋭い当たりに。やや浅めに守備位置を取っていた柳田だったが、全速力で打球を追うと、左腕を懸命に伸ばし間一髪のところで捕球した。

「絶対に取れないと思った。自分でもビックリしました。いいプレーができて、チームに貢献できたのが1番良かった」。試合後にもこう振り返った柳田。「1歩目も良かったですし、目を切って思い切って走っていった」。打球が上がった瞬間に素早く1歩目を切った。そして、打球から目を切り、落下点まで迷いなくダッシュした。全ての要素がうまく絡み生まれたスーパープレーだった。

「みんなにもナイスと言ってもらえて出迎えてくれたのが良かったですね。どうかな、と思って伸ばしたら引っかかってくれました」と胸を張った柳田。2日連続で上がったお立ち台では「あまり言いたくないですけど、村松コーチのおかげかなと思います」と、ファンを笑わせた。

 この言葉の意図は、どこにあったのか。“ギータらしさ”満載の言い回しで「ノックしたくないなと思う時もあるんですけど、そういう時も尻を叩いてくれている。村松さんやポン(本多)さんが厳しく接してくれているおかげです」と明かしている。

 昨季のリーグ王者である西武に開幕3連勝と、絶好のスタートダッシュに成功した。「チームのみんなで何とか3つ取れたと思います。接戦ばっかりでどっちに転ぶか分からない3試合だった。また切り替えて次から戦っていきたい」。気持ちを緩めることなく、引き締め直した柳田。鷹を引っ張る主砲が、頼もし過ぎる。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

© 株式会社Creative2