沖縄県春季高校野球4強決まる 準決勝は3日 沖水×沖工 興南×北山

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 高校野球の第66回沖縄県春季大会第8日は31日、北谷公園野球場などで準々決勝を行い、興南、沖縄水産、北山、沖縄工業が4強に進出した。興南はコザを7―1で破り、沖縄水産は9―1で小禄に八回コールド勝ちした。北山は7―2で知念を下し、沖縄工業は中部商業との打ち合いを制し13―10で勝利した。準決勝は3日9時から、北谷公園野球場で沖縄水産―沖縄工業、興南―北山の順で行う。

◆沖水 着実に加点

 沖縄水産は積極起用する新戦力がチームの勝利を支えている。準々決勝ではエース左腕の上原一帆の登板は終盤の2回のみ。1年の左腕・古波藏悠悟と右腕・石川愛斗が3回ずつを継投し、この間を被安打3、1失点でしのいだ。

 打っても背番号20の新城安都希や17番の田場友依登が安打やスクイズで得点に絡んだ。上原忠監督は「レギュラー以上の力を出してくれた」と競い合いながら結果を出す選手たちをたたえた。

 試合は3―1で迎えた六回、敵失や2番の新城、3番の真栄城徳二郎の安打で5―1と引き離す。八回は先頭の新城からの3連打などで一気に4点を奪いコールド勝ちした。

 三回、死球を受けた比嘉昭寿の代わりに途中出場したのが新城だ。三振一つを挟み、追加点につながる2安打。「結果が出なかった2試合よりはいいが、まだ50点。もっとしっかり好機をものにしないと」とまだ満足はしていない。

 投手以外の新たな戦力として新城、田場、比嘉、友寄力斗の4人が起用されている。昨年は控え選手だったが、「練習を頑張り、力をつけてきた。“心中”するつもりで使い続けたい」と話す上原監督。3安打1打点だったスタメン常連の真栄城は「みんなで切磋琢磨(せっさたくま)している」。優勝より欲しかったという夏のシード権を獲得し、平常心で次の準決勝へ臨む。

 (石井恭子)

◆沖工 乱打戦制す

 両チーム合わせて25安打の乱打戦は、沖縄工業がリードを守り切り、中部商業を振り切った。知名淳監督は「1点差の試合になると思っていたが、これだけ点数を取れるとは思っていなかった」と活発な打線はうれしい誤算だった。

 30日の八重山戦で速い球に対応できたことが速球派をそろえる中部商戦でも生きた。各打者は速球に差し込まれず、ボールになる低めのスライダーも見極め手を出さなかった。二回には5四死球を選び、村山星の安打など打者一巡で攻めて逆転。三回は6安打を集中し、再び打者一巡の猛攻で4回までに11得点した。

 先発したエースの儀間朝陽は全体的に球が高めに浮き、3本塁打を浴びるなど苦しんだ。指揮官は継投も考えたというが、仲間から「儀間いけるよな」「お前しかいない」と声が掛かり、儀間も続投を志願した。

 完投はしたものの、10~20点と厳しく自己評価し「野手陣が打ってくれたので気持ちは楽に投げられた。しっかりコントロールはつけないと駄目ですね」としっかり反省した。8年ぶりに4強に進み、夏の県大会のシード権も獲得、試合後の選手の顔には笑顔も見えた。準決勝は第1シードの沖縄水産との対戦。三回に攻撃の口火を切った村山は「今日みたいな打撃で沖水を圧倒し、守備はノーエラーでいきたい」と意気込んだ。

 (屋嘉部長将)

 
◆北山 終盤に一気

 五回を終えて3―2と1点をリードする北山だったが、知念に毎回のように走者を出され苦しい展開が続いた。状況を打開したのは途中出場の玻名城壱哲だ。守備から出場し、八回の第一打席で自身初の本塁打を放った。その後、流れは北山に傾き、九回の3点につながり7―2で知念を振り切った。津山嘉都真監督は「八回の一発はとても価値のある一本だった」と玻名城を褒めちぎった。

 初回に先制し、三回に追加点を挙げるも直後に追い付かれた。五回に金城輝星の犠飛で1点リード。その後は先発の金城和尋と2番手の金城洸汰が耐えた。

 知念の追い上げムードが広がる雰囲気の中で玻名城が打席に立った。「ストライクゾーンに来たらいこう」と1ボール後の2球目の直球を振り抜いた。芯に当たった打球は左翼スタンドへ吸い込まれた。「打った感覚はなかった。信じられなかった」と喜びをかみした。笑顔で待つ仲間と喜びを分かち合った。形勢が北山に傾くと最終回にも仲村周真や玻名城らの連打で3点を加えた。

 途中出場の多い玻名城だが「流れを変える思いで積極的にフルスイングしていきたい」と語り、「代打でも自分で試合を決める気持ちで試合に臨みたい」。興南との準決勝へ闘志を見せた。

 (屋嘉部長将)

◆興南 宮城が完投

 今大会の3回戦から1番を任される1年生三塁手の西里颯が、2本の三塁打と犠飛で2打点を稼いだ。我喜屋優監督が「春夏連覇の時のように1番が出塁すれば…」と求める通りの先頭の役割を果たした。冬に体重が4~5キロ増え、飛距離が伸びた。「いい感じで振れている。この調子を崩さずにあと2試合あるので、しっかり調整したい」と頂上決戦を描く。

 ようやく初先発となった左腕エースの宮城大弥は11奪三振、被安打5でまとめた。初回は緊張もある中、犠打野選が続き無死満塁の大ピンチに。しかし、慌てずに併殺でしのぎ無失点。相手の勢いを止めた。その後は、自己最速148キロの速球を含む130~140キロ台の直球を投げ込み、打者を打ち取っていった。

 完封目前の7―0の九回裏。一死からコザの山城琉奨に本塁打を浴びた。宮城にとっては小学生のころから務めてきた県内大会のマウンドでは初被弾。「九回に弱い。いらないボールを投げてしまうのが課題」と悔しがった。

 昨秋の九州大会の敗戦を越え、宮城に加えて又吉航瑶、山田侑弥の投手陣をはじめとするチームの成長を収穫とする我喜屋監督。守備でもピンチに崩れることのなかった展開に目を細めた。打の立役者の西里は「しっかり夏につなげられる戦いをしていく」と、決意を新たにした。

(石井恭子)

<きのうの結果>

▽準々決勝

沖縄水産 9―1 小 禄

  (八回コールド)

沖縄工 13―10 中部商

興 南 7―1 コ ザ

北 山 7―2 知 念

<3日の試合>

▽準決勝

【北谷】9時

沖縄水産―沖縄工

興南―北山