新幹線豪華客席のお弁当がリニューアル 東北・北海道、北陸のグランクラス

 東北・北海道、北陸新幹線には、普通車、グリーン車を超えたサービスを提供する最高級座席「グランクラス」がある。軽食やドリンクのサービスを行っているが4月1日から軽食などをリニューアル。早速、体験してみた。

新幹線グランクラスの座席

 

 両線の上りと下りでそれぞれメニューが異なるが今回は東北・北海道の下り線に乗車した。先頭車のグランクラスは1両にわずか18席。ゆったりとした空間にベンツや日本航空のファーストクラスを手がけたドイツの会社が開発した革張りの座席を配置した。

 体を滑り込ますとすっぽりと包まれる感じ。リクライニングも自由自在だ。落ち着いた光量で、旅をリラックスしてもらうためスリッパも付いている。

 車窓の風景を楽しんでいるうちに、いよいよサービスの開始。横長の器に縦に具材が並べられている。「車窓から見える景色をイメージしました」と、監修した東京・神宮前の日本料理「一凜」店主橋本幹造さんは説明する。

東北・北海道新幹線下り線グランクラスでサービスされる軽食

 

 右から順番にいただいていく。「飛竜頭紅生姜あんかけ」はふっくらと炊かれ口の中を潤し食欲をいや増す。続いて卵焼き、鶏そぼろ、絹さやでちょっとした三色丼風を楽しむ。「こごみ胡麻和え」は楽しくなる食感で「鮭甘酒漬け焼き」にバトンを渡す。

 しゃきっとした食感の「花蓮根柑橘甘酢」に続く鶏漬け焼きでも、味付けに甘酒が使われている。「甘酒につけ込むとぱさつかないんですよ」と橋本さんは調理の秘訣を明かす。確かに鮭も鶏もしっとりした味わいだった。

 締めにはさつまいも甘露煮。食事を締めるにふさわしい適度な甘さ。ご飯は岩手県産「たかたのゆめ」を使用するなど、材料はすべて沿線の食材。サービスの日本酒は宮城の「伯楽星 純米大吟醸」。さらっとした飲み口で薄めの味付けの食中酒として最適だ。

 橋本さんは水揚げの現場から、詰め込み工場まで訪れた。「夢見るくらい試食の会議を開いた」と話す。東京―新青森は運賃が1万150円、指定席7400円、グリーン料金が1万1820円なのに対し、グランクラス料金は1万6960円。東北や北海道、北陸に行くときに優雅な旅の選択肢の一つとして考えてもいいだろう。

 (47NEWS 中村彰) 

 

 

 

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