「コップ酒3杯まで」 野毛・武蔵屋の木村喜久代さん死去

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在りし日の木村喜久代さん

 “コップ酒3杯まで”で知られた横浜・野毛の老舗居酒屋・武蔵屋の元店主、木村喜久代(きむら・きくよ)さんが3月31日、横浜市内の病院で死去した。97歳。通夜は7日午後6時から、告別式は8日午前9時半から同市南区高砂町2の21、メモワールホールで。喪主はおい正人(まさと)氏。

 武蔵屋は喜久代さんの父、木村銀蔵さんが1919年、中区太田町に開店。終戦翌年、野毛に移った。83年に銀蔵さんが他界後は、喜久代さんと妹の富久子さんが店を切り盛りした。

 のれん、ちょうちん、メニューがない。飲み物は日本酒とビールだけ。決まった手料理が、決まった順に出された。銀蔵さんが決めた流儀を、喜久代さんは守り通した。常連客は喜久代さんを“おばちゃん”と呼んだ。

 2015年7月31日、武蔵屋閉店。69年の歴史を閉じると知ったファンが押し掛け、“おばちゃん”の労をねぎらった。12年には横浜夢座が喜久代さんをモデルに「野毛武蔵屋 三杯屋の奇跡」を上演。喜久代さんの母校(神奈川高等女学校、現・神奈川学園)の後輩に当たる女優、五大路子さんが主演した。

 晩年の喜久代さんは富久子さんと同じ横浜市内の介護付きマンションに住んでいたが、富久子さんは昨年11月、94歳で亡くなった。