おおたま野の花おりおり─花たちのおいたち─(108)箱崎美義著

福島県大玉村 広報おおたま2019年3月号

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○107つづき
さて漬物といえば、はくさい漬けや沢庵漬などがおもに戦前戦後どこの家々でも野菜不足がちとなる冬春の大切な保存野菜食物、「おかず」として一年分樽に大量に漬け込む、いちだいじごと秋の風物詩である。そしてはくさい漬け物を食べ易く細く切りきざみ、これを少ない貴重な自家製納豆にまぜこんで増量にしたいわゆる「はくさい漬け納豆」を鼻先につくほどてんこ盛りにした温かい朝飯は何せ食べ盛り育ち盛りのいつも腹へらしている欠食児、幼少年にとっては満してくれる何よりのご馳走食だった。その満足感、ありがたさは今だに忘れてはいない。粗食の漬物や納豆などでよくぞ大禍なく育った戦前代拙者だが、今なお納豆を食べるたびに幼少年代頃、自家製で「藁(わら)つつこ」に着いて離れない納豆を一粒たりとも残さず一心にとりこみ食べた記憶が走馬灯ごとくよみがえってくる。ことに戦前戦後すべて無い無いづくしのあの貧困、どんぞこ極まった生活、人生は現世ある限りその終わりはない。藁(わら)で草履(ぞうり)、長靴を作り通学するという当時からは、まさかだれもが夢、想像だにできなかった現代のすべてが贅沢三昧な日常が送られるとは微塵(みじん)もなかった。こんな思いのまま長生きを有意義に謳歌されているおおたま村人も年々増える一途をたどり宿願かない至福の極まりである。このことは年一度、本報の長寿番付の末位者が80代から90代年齢へと年々高齢化し不老長寿大玉村のいしずえを築いている功労者の証しでもあるが、この永遠の策、保障は何一つない。本題の結球はくさいはよく知られたごとく日本料理や中華料理などに重要でその用途は数え切れないほどある。
以下に結球はくさいの食品評価をあげてみた。
収穫した生(なま)の結球はくさい100g当たりエネルギー14kcal、水分95.2g、たんぱく質0.8g、脂質0.1g、炭水化物3.2g、カリウム220mg、カルシウム443mg、ビタミンC19mgなどである。

(55)キャベツ(甘藍、玉菜、球菜)
キャベツ畑に雪つみればまるまるとキャベツの玉ぞ見えてならべる 吉植圧亮
キャベツ食べて明日変身するつもり 土原靜代

▽キャベツの生れ育ち
キャベツは今から2600年以前代、紀元前六世紀頃に地中海沿岸やヨーロッパの大西洋沿岸の岩場などに世界で初めて今、私たちが食べているキャベツの親であるケールなどの野生種が生れ育った。(つづく)

※著者名の「崎」はたつさきです。