新元号「令和」 大衆の思い詰めた2文字 万葉集研究家、つくば・布浦さん 「いつか選ばれればと」

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万葉集が新元号「令和」の典拠となり、喜びを語る万葉集研究家の布浦万代さん=1日、つくば市

「いつか万葉集が選ばれればと期待していた。涙が出るほどうれしい」。新元号が「令和」と発表された1日、出典の万葉集を研究する万葉学会員の布浦万代(ふうらまよ)さん(75)=つくば市在住=は笑顔で喜びを語った。布浦さんは県内だけでなく海外でも万葉集の講座を開き講師を務める。「混沌(こんとん)とした世の中になっても日本中の人たちが平和に暮らせるように」と新元号に期待を寄せた。

万葉集は奈良時代に編さんされた日本に現存する最古の和歌集で約4500首を収録。「天皇から庶民まで幅広い身分の人たちの作品を集めている。人々の喜怒哀楽が詠まれており、『令和』には大衆の思いが詰まっている」と解説する。

典拠となった巻五には「梅花」の歌が32首収録されている。大伴旅人を中心に詠まれたとされる。730(天平2)年の正月13日に大伴旅人の邸宅で宴会が開かれた時に詠まれたといい、「『天平』は奈良時代の最盛期に当たることから、そこも(新元号に)考慮されたのではないか」と分析する。

布浦さんは1日、日本の古典から新元号が選定される可能性があったことから、発表に備えて仕事を入れずに自宅でテレビ画面に注目。典拠が万葉集になるかもしれないと「実は年明けから期待していた」。菅義偉官房長官の会見で典拠が発表されると研究仲間たちから喜びのメールが届いた。「万葉集には筑波山を詠んだ句もあり、県内でも多くの人が万葉集に興味を持ってもらえれば」と期待した。(吉原宗康)