元DeNA久保康友がメキシコLで開幕投手決定!「チームを優勝に導けるよう」

メキシカンリーグのブラボス・デ・レオンで開幕戦に登板する元DeNAの久保康友【写真:福岡吉央】

ロッテ時代の06年、DeNA時代の15年に続く自身3度目

 メキシカンリーグのブラボス・デ・レオンに入団した久保康友投手が、5日(日本時間6日)に行われる開幕戦、リエレロス・デ・アグアスカリエンテス戦(レオン)で開幕投手を務めることが1日(同2日)に決まった。ロッテ時代の06年、DeNA時代の15年に続く、自身3度目の開幕投手。レオンが位置するグアナファト州内に住む日本人約100人がツアーを組んで応援に駆けつける予定で、久保も「人数を聞いて驚きました。とてもありがたい話。チームからも期待されていると感じているので、チームを優勝に導けるように頑張ります」と意気込んでいる。グアナファト州には自動車産業をはじめ、多くの日系企業が進出しており、5000人以上の日本人が在住。久保も街中で声を掛けられることが増えてきており、異国の地での同胞の声援は大きな後押しとなりそうだ。

 開幕までに重ねた実戦は3試合。現地3月11日に登板した紅白戦では3回2安打1失点。味方のバットを何度も折るなど、球のキレの良さを見せつけた。

 同22日のリエレロス・デ・アグアスカリエンテスとのオープン戦では4回を投げ、7安打5失点。打たせて取る投球が持ち味だが、内外野ともに穴だらけの荒れたグラウンドでイレギュラーする打球が続き、ゴロアウトが奪えないことから、途中から三振を狙うピッチングスタイルに変えた。だが、会場となったサカテカス近郊の標高約2000メートルの球場は気圧が低いため打球も飛び、本塁打を浴びるなど、高地では投手が不利とされるメキシカンリーグの現実をつきつけられる形となった。

 登板3戦目となった同29日のディアブロス・ロホス・デル・メヒコ戦でも環境には恵まれなかったが、4回2安打2失点とまずまずの結果を残した。球場は日本なら少年野球でも使わないような荒れたグラウンドで、ブルペンは砂山。ベースも固定式ではないものが使われ、これまで女房役を務めてきた正捕手がベースを回った際に足を滑らせて負傷し、開幕絶望となるなど、環境の違いを実感させられる中での登板となった。

開幕戦の開催地は標高1800メートル、関係者「防御率5点台で投げられれば十分」

 だか、そんな中でも多くの打者が140キロ台前半の直球に差し込まれるなど、球のキレの良さは健在。許した2安打は詰まった当たりと外野のミスによるもので「球場に着いた時は、本当にこの球場でやるのかと思ったほど。グラウンドの状態を考えれば、この2試合の結果は気にしなくていい。相手打者の特徴をつかんで、どう打ち取るか。公式戦になればもっといい球場でやれると思うので、しっかり準備したい」と前向きだ。

 開幕戦が行われるレオンは標高約1800メートルで、チーム関係者は「低地が本拠地のチームで防御率が3点台だった投手でも、高地が本拠地になれば防御率は5点台になる。5点台で投げられれば十分だ」と明かす。久保も「標高が高い場所だと変化球の曲がりが低地の半分以下になる。ボールも日本とは違って乾燥していて滑るので、コントロールに気をつけて投げたい」と話しており、高地と低地でピッチングを変えることも考えているという。

 投手にとっては、公式球が昨年までのローリングス社製から、今年はフランクリン社製に変わったことも悩みの種だ。しかも、ボールがチームに届いたのは開幕13日前。久保が試合で使えたのはわずか1試合のみで、キャンプ終了後も頻繁にブルペンに入り、新球を手に馴染ませてようとしている。投手陣からは「ボールによって縫い目の高さも違うし、大きさも違う。重さも5グラム以上違う。ローリングスよりも打球が飛ぶ」との声も出ており、日本とは違う投げにくいボールをいかに操れるかが、メキシコでの成功への鍵となりそうだ。(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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