山田五郎さん日立で講演 大煙突再建も提案

「住民幸せなまち一番」

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「魅力ある街」をテーマに講演する山田五郎さん=日立市幸町

日立市の生涯学習活動をけん引する「ひたち生き生き百年塾」の創立30周年を記念した講演会(同実行委員会主催)が3月23日、同市幸町1丁目の日立シビックセンターで開かれ、テレビ番組でもおなじみの編集者で評論家の山田五郎さんが「住んでいる人が幸せなまちが一番」と強調するとともに、「日立市はまだまだ元気がある。手本になるまちづくりの例を生み出し、発信してほしい」と語り掛けた。

百年塾は1988年8月に創設され、翌89年度に本格始動した。市と市民ボランティアで推進本部を構成し、企業とも協力しながら活動を続けている。この日は約500人の市民が詰め掛けた。

講師として招かれた山田さんは講談社を経てフリーの編集者・評論家として活躍。テレビ東京の「出没!アド街ック天国」にも出演している。山田さんは「魅力ある街ってどんな街?」をテーマに講演。「魅力ある街は人気がある街と思われがちだが、住んでいる人が幸せな街のことだ」と力説した。

インバウンド(訪日外国人客)ブームについて「住んでいる人は幸せになっていないどころか悲鳴を上げている。観光公害なんて言葉まで生まれている」と指摘。混雑で市民生活に影響が出ている京都市などの現状を紹介しながら、3千万人を超えた現在が限界との見方を示した。その上で、人数よりも富裕層とリピーターをいかに増やすかが大事とした。

一方で、観光客を呼び込むには街の個性が必要と強調。地方都市は「どこも同じ化」と「東京と同じになりたい」が進んでいる説明し、「日本はなぜか横並びで、街おこしなのに同じことをする」と批判的に論評。外部や若者の視線を大切にすべきと力を込めた。日立市に関しては「海があるのに知られていない。もっとアピールすべき。魚の名物料理も作った方がいい。超高級リゾートホテルも欲しい」などと語った。

観光のためでなく、住民のための街づくりを最優先にすべきとし、「ハイテクイメージと海、山のイメージを重ね、環境や健康、理科系に強い教育などを押し出したらいい」とアドバイス。最後に大煙突の再建を提案し、「21世紀に150メートル級の新たな大煙突を建ててほしい」と呼び掛けた。(川崎勉)