「為替」関連倒産(3月度速報値)

 3月の外国為替市場での円相場は、月半ば過ぎまで1ドル=111円台で推移した。こうしたなか、22日午前のニューヨーク外国為替市場は一時1ドル=109円台を付け、2月以来約1カ月半ぶりの円高ドル安水準になった。欧米の株安や、日経平均株価の下落を背景に、比較的安全な資産とされる円を買って、ドルを売る動きが影響した。その後は、米中通商協議が進展しているとの報道を受けて株価と長期金利が上昇したことで、1ドル=110円台に戻した。
 企業倒産は沈静化が続き、さらに円相場が狭いレンジでの動きにとどまっていることで、速報値ながら3月の「円安」関連倒産は2カ月連続で発生なし(前年同月1件)。また「円高」関連倒産も2カ月連続で発生なし(同ゼロ)だった。
 ただし、米中貿易摩擦や英国のEU離脱交渉の行方などの先行き不透明感から、安全資産である円を買う動きが今後は進むのではとの「円高」懸念の声が出ている。円高の進展は輸出関連産業の業績に影響するため、為替相場の変動には注意が必要だ。

円安関連倒産月次推移
円高関連倒産月次推移

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