「東日本大震災」関連倒産(3月度速報値)

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 2019年3月の「東日本大震災」関連倒産は2件(速報値:3月29日現在)にとどまり、震災から8年を経過して収束傾向が強まっている。ただし、関連倒産は97カ月連続で発生して累計件数が1,905件(3月29日現在)に達した。

3月の倒産事例

 酒類販売の(有)桝善商店(TSR企業コード:170192474、岩手県)は、大手量販店やコンビニとの競合から業績が低下していたところに、東日本大震災の津波で店舗が浸水する被害を受けた。震災以降は、グループ補助金の活用などで営業をしてきたが、取引先の飲食店の廃業や事業縮小なども影響して2018年末に事業を停止し、破産を申請した。
 水産練製品製造の(株)上総屋(TSR企業コード:320204499、千葉県)は、1869年(明治2年)創業の老舗企業。銚子港で水揚げされる海産物を利用して、はんぺんやおでん種を百貨店などに卸売し、ピーク時には12億円の売上高を計上した。しかし、この一方で借入金利息が収益を圧迫していたところに、東日本大震災発生後は福島第一原発事故の風評被害を受けて売上減少に拍車がかかった。業績回復に向けた効果的な方策を講じることができないまま事業継続を断念。破産申請に踏み切った。

東日本大震災関連倒産 震災後月次推移

 3月の地区別は、東北と関東が各1件(岩手、千葉)だった。
 累計件数1,905件の都道府県別で、最も多かったのは東京の566件。次いで、宮城172件、北海道85件、岩手81件、神奈川79件、千葉76件、茨城75件、福島74件、福岡70件、群馬と栃木が各61件、静岡50件、山形48件、埼玉46件、大阪45件と続く。直接被災地の東北6県の倒産件数は431件(構成比22.6%)だった。
 産業別では、最も多かったのが宿泊業や飲食業などを含むサービス業他の505件(構成比26.5%)。次いで、製造業439件(同23.0%)、卸売業348件(同18.2%)、建設業223件(同11.7%)、小売業181件(同9.5%)、運輸業79件、情報通信業64件と続く。
 被害型で分類すると、「間接型」1,702件(構成比89.3%)に対して、「直接型」が203件(同10.6%)だった。

東日本大震災関連倒産

震災関連の集計基準

「震災関連」の経営破綻は、原則として次の3つのどれかに該当するものを集計している。

震災により施設・設備・機械等に被害を受けて経営破綻した(直接型) 以前から経営不振だったが、震災による間接影響を契機に経営破綻した(間接型) 震災の影響による経営破綻が、取引先や弁護士等への取材で確認できた(直接・間接型)

  • ※集計では、すでに震災前に再建型の法的手続を申請しながら、震災による影響で再建を断念し破産手続に移行したケースなどは、倒産件数のダブルカウントになるため集計から除外している。
  • ※「震災関連」の経営破綻は下記の「倒産の定義」のいずれかに該当するケースを「倒産」として集計。「事業停止」や「弁護士一任」、「破産手続き中」などの企業は、今後の展開次第で事業再開の可能性もあるため、「実質破綻」として区別した。

倒産の定義(対象:負債額1,000万円以上の法人および個人企業)

  • 会社更生法、民事再生法、破産、特別清算を裁判所に申請した企業(法的倒産)
  • 手形決済などで6カ月間に2回の不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けた企業(私的倒産)
  • 企業が経営破綻により事業継続を断念したが、法的手続きを採らず弁護士などに事後を一任して私的整理(内整理)を明らかにした企業(私的倒産)