長崎県産アボカドを作りたい~みかん農家の挑戦~

宮本市長にアボカド栽培の取り組みを説明する平野さん(中央)=諫早市役所

 第58回全国青年農業者会議(2月、東京)のプロジェクト発表地域活動部門3位に、長崎県諫早市多良見町の農家、平野秀敏さん(34)が発表した「長崎県産アボカドを作りたい~みかん農家の挑戦~」が輝いた。平野さんは「地元と連携し、新たな特産品を目指したい」と意気込んでいる。

 平野さんは、伊木力みかんの産地、同町で営農している。担い手不足で、耕作放棄地が増えている現状に危機感を抱き、特産品づくりを模索。国産シェアが低いアボカドに着目し、2012年から栽培を始めた。現在は30アールの露地栽培と10アールのハウス栽培をしている。

 発表で平野さんは、先進地の愛媛県などを視察したり、専門家の意見を聞いたりしたことを基に、多良見町の環境に適した日焼けや防寒対策などにたどり着いたことを報告。2016年に研究会を発足させ、地元農家6人と栽培技術を磨いた。

 昨年5月、福岡市の百貨店であった試験販売では数日で完売。「海外産に比べると価格は倍以上。しかし、大玉でも味が良い国産アボカドには贈呈用の需要がある自信を得た」という。

 平野さんは3月22日、諫早市役所を訪れ、宮本明雄市長に受賞を報告。宮本市長はねぎらい、「仲間と収穫量を増やして産地化してもらいたい」と期待感を示した。

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