もっと知りたいビザのこと / 確定申告どうすれば? ニューヨーク暮らしベーシック情報⑦

ビザ(査証)
「ビザ」はアメリカ合衆国に入国するために必要な渡航許可、「ステータス」とはアメリカでの滞在または就労許可を意味する。監修:安田・デビン・龍弁護士
D5 Law Office PLLC / d5law.comビザの種類と対象者
「ビザ(査証)」と「ビザスタンプ」は同じものを指す。ビザは米国に入国するために必要な渡航許可のこと。
通常、米国に入国する際に発行される「I-94」、または入国後に移民局を通じて新しく取得した「I-94」がステータスの期限となる。
ここでは、各種ビザの種類と、一般的に対象となる人の渡航目的などを紹介する。A-1=大使、公使や外交官、およびその家族A-2=A-1以外の外国政府職員、公務員とその家族A-3=A-1、A-2の付添人や従者とその家族B-1=短期商用

B-2=短期観光用

C=アメリカ合衆国経由でほかの国に旅行する場合に必要。日本人旅行者の場合は、90日未満の滞在ならば通常はビザ取得の必要なし

D=アメリカ合衆国に入港、着陸する船舶や飛行機の乗務員

E-1=貿易駐在員

E-2=投資駐在員

F-1=学生ビザ

G=「国際機関」ビザ。アメリカ合衆国の承認政府の代表として、公務でアメリカに入国する人が対象。国連を含むアメリカ合衆国承認国際機関での任務に当たる人にはG-4が発給される

H-1B=高度な知識、学位を必要とする専門職に就く人

H-2A=一時的あるいは季節的に農業に従事する人

H-2B=一時的あるいは季節的に農業以外の仕事をするために入国する人

H-3=自国では受けることのできないトレーニングを受けることを目的とした研修生

H-4=各種Hビザをを持つ人の家族(配偶者、21歳未満の未婚の子供)に発給

I=アメリカ合衆国内で報道活動に従事する外国人ジャーナリストや報道関係者

J-1=交換留学生、職業訓練生が対象。教育機関やそのほかの非営利機関公認のプログラムで来米する場合に必要。このプログラムの対象は学生、レジデントまたはインターンとして来米する医学生、客員教授として大学から招へいされる学者、一部の企業研修生など

J-2=J-1保持者の家族

K-1=婚約者ビザ。アメリカ合衆国市民と婚約した人がアメリカ合衆国に入国する際、また結婚した後に、引き続き国内に滞在を希望する場合に発給される

K-2=K-1の21歳未満の未婚の子供に発給される

K-3=既婚者ビザ。アメリカ合衆国市民とすでに結婚している外国人が対象。永住権取得申請のプロセスを待つ間にアメリカ国内に滞在するために発給される

L=企業内転勤ビザ。国際企業に所属し、転勤のために来米して管理職に就く人や、専門知識を有する人が対象

M=職業訓練校や専門学校の課程を履修することを唯一の目的として、一時的にアメリカ合衆国内に入国する学生が対象

N=一定の条件の下で別特移民として永住権を取得した場合、その子供と両親に発給される

O-1=科学、芸術、教育、事業、スポーツなどにおける、卓越した能力の持ち主や、映画・テレビ制作において卓越した業績を挙げた人に発給される

O-2=O-1保持者の補助的業務を行い、アメリカ国内には存在しない技能と経験を有するサポートスタッフが対象

O-3=O-1、O-2保持者の家族が対象

P-1=特定の運動選手、芸能人、芸術家、及び必須補助要員が対象。個人だけではなく、団体の功績によって、団体自体も対象となる

P-2=アメリカあるいは、ほかの複数の外国との間の相互交流訪問プログラムに基づいて、アメリカの一つまたは複数の団体との短期交流や芸能活動のために来米する芸術家、芸能人が対象

P-3=独自の文化的な内容のプログラムで公演・訓練・指導を行う個人、または団体の芸術家や芸能人が対象

Q-1=申請者が国籍を有する国の歴史、文化、伝統の普及を目的とした国際文化交流プログラムに参加する場合に発給される

R=宗教活動を行う目的を持つ短期滞在者が対象

S=犯罪やテロの実行犯の逮捕などにつながる政府の捜査のために、アメリカ合衆国内に滞在する必要がある人に発給される

T-1=人身売買の犠牲者としてすでにアメリカ合衆国にいる人が対象

T-2〜5=T-1保持者の家族、親戚に発給される。年齢、親等により種類が異なる

U=犯罪の犠牲者に発給される

V=アメリカ合衆国に移民したために長期間離れ離れになった家族が再会できるように作られたビザだが、過去数年発給されていない

(参考=travel.state.gov/content/travel/en/us-visas.html

タックスリターン(確定申告)

日本の確定申告に当たるのがアメリカのタックスリターン。毎年4月15日までに(書類で郵送する場合は当日消印有効)、前年度分の所得に対する確定申告を行う。

監修: ジェームズ・ナム会計士
AA & TC, Inc. / TEL: 212-594-0074 / aantcinc.com

申告の流れ
一定以上の収入がある個人は国(連邦)と州(さらにニューヨーク市の住民は市に対しても)に所得税を納める義務がある。

基本的に居住者は全世界での所得を申告する義務があり、非居住者はアメリカ国内のみの所得を申請する。市民権、永住権保持者はアメリカに滞在していなくても居住者、それ以外でも年間で183日以上住んでいる場合、居住者となる(計算には前年、前々年の滞在日数なども関係する)。非居住者の場合はアメリカ国内での不動産売却益や株の配当、事業により得た利益などはアメリカで申告する義務がある。

確定申告は「タックスリターン(Tax Return)」と呼ばれ、個人または夫婦ごとなどの家族構成により、いずれかの「ファイリングステータス」を選ぶ。ファイリングステータスは、Single(独身)、Married Filing Jointly(夫婦合算申告)、Married Filing Separately(夫婦個別申告)、Head of Household(世帯主、シングルペアレント)、Qualifying Widow(er) with Dependent Child(寡婦、寡夫)。複数のステータスに当てはまる場合は、税金が最も低くなるステータスを選んで申告を行うことができる。

給与所得者は雇用主から「W2」という書類が送られる。これは1年を通じた給与、給与から徴収された連邦税、州税、ソーシャルセキュリティー税などの支払額の詳細が記載された源泉徴収票で、ここに記載される数字をもとに控除額を計算する。一定額が控除されることを「定額控除(Standard Deduction)」、また税法上認められている項目の控除額が定額控除の額より多い場合は、「項目別控除(Itemized deduction)」を選択することができる。

確定申告用紙(居住者は「Form 1040」、非居住者は「Form 1040 NR」)に必要事項を記入して、アメリカ合衆国内国歳入庁(IRS/ Internal Revenue Service)に書類を郵送かE ファイル(電子納付システム)で提出する。連邦税の申請のほかに、居住する州(ニューヨーク州に居住および勤務している場合は「Form IT- 201」)に申告を行う。

自営業者、契約社員、外部スタッフ (Independent contractor)として働いた場合は、「1099-Misc」が明細として、報酬を得た先から送られてくる。税金の源泉徴収はされていないため、本人が税金を計算して四半期ごとに予定納税(Estimated Tax)する必要がある。また被雇用者の場合、雇用主がFICA(Social Security TaxとMedicare Tax)の半分を支払っているが、1099-Miscの場合は自分で全額を負担する。

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