まずはスマホゲットでしょ / 新居に電気・ガスが必要 /ペットを飼うには? /市内引越し手順 ニューヨーク暮らしベーシック情報⑧

携帯電話
それぞれの電話会社によって、プランや通信エリアが異なるので、自分の利用に合わせたプランと端末を選んで利用しよう。

監修:Chihiro Tainakaさん

アメリカ携帯屋 / america-keitai.com携帯電話の基本
ニューヨーク市内および近郊で利用できる電話会社が提供するサービスは、契約が必要な料金後払いのサービスと、契約が不要で事前に料金を支払うプリペイドに大別することができる。一般的なプランは月決めで、通話、データ通信、テキストメッセージ利用がセットになったもの。それぞれの項目で使用無制限(Unlimited)と、使用制限を設けているものがある。料金後払いのサービスを利用する場合と利用する端末を購入し、分割で代金を支払う(端末の代金が月々加算される)場合は、基本的には契約が必要で、ソーシャル・セキュリティー・ナンバー(SSN)、クレジットヒストリー(アメリカでのクレジットカード信用履歴)などの提示を求められる。

ちなみに各電話会社で販売している端末はスマートフォンが主流だが、フィーチャーフォンも購入可能。

プリペイド
プリペイドの利用の場合は、基本的にはSSNや信用履歴は必要とされない。プランとしては、月で決められた通話時間、データ通信量、テキストメッセージ数が設定された定額プランと、使用分だけ料金が引かれ、料金を追加していくプランがある。提供するのは、プリペイドに特化したCricket Wirelessなどもあるが、大手4社(AT&T、T-Mobile、Sprint、Verizon)も、幅広いプランを提供している。プリペイドの利点は来米から間がなく、米国での信用履歴がない場合も利用できること。

H2O WirelessはSIMカード(回線はAT&Tのものを使用)を利用するサービス。こちらは当地到着後だけでなく、日本滞在時からウェブサイトから申し込むことができる。「H2O Wireless」を取り扱っている「アメリカ携帯屋Bookoff店」はブックオフのニューヨーク店内にブースを設けていて、日本語で相談を受け付けている。

携帯電話サービス提供会社
・AT&T: att.com
・T-Mobile: t-mobile.com
・Sprint: sprint.com
・Verizon : verizonwireless.com
・アメリカ携帯屋: america-keitai.com

電気・ガス・水道
生活の基本となる電気、ガス、水道はそれぞれ管轄する会社が異なる。まずは、自身の居住地域で利用できるサービスを確認しよう。電気・ガス・水道
ニューヨーク市を含むニューヨーク州内の電気、ガス供給会社ではCon Edison(コン・エディソン)、National Gridなどが大手。ニュージャージー州では電気はJersey Central Power & Light、Atlantic City Electricなど、ガスはNew Jersey Natural Gasなどが大手となる。まずは居住エリアで電気・ガス両方、またはいずれかのサービスを供給している会社を確認すること。賃貸の場合、簡単なのは住居のオーナーや管理人に、そのエリアを管轄する会社を聞くか、比較ウェブサイト(chooseenergy.com)などで、居住地のジップコードを入力して調べること。ニューヨーク州の公共局のウェブサイト(dps.ny.gov)、ニュージャージー州は公共事業委員会のウェブサイト(state.nj.us/bpu/assistance/utility)で電力、ガス供給会社の一覧も提供している。

サービス提供を開始するには、供給会社のカスタマーサービスなどに電話し、利用の開始の日程の希望を伝えること。住所を聞かれ、その後、係員がメーターを読むために家を訪れることになる。賃貸の場合は、メーターがどこにあるのかをオーナーに事前に確認しておいた方がよい。英語で電気はElectric Power、ガスはNatural Gas。単にGasと言うと、ガソリンを意味してしまうので注意。

〈主要な電気、ガス会社〉
New York
・Con Edison: coned.com/en
・National Grid: nationalgridus.com

New Jersey
・Jersey Central power & Light: firstenergycorp.com(「JCPL」を検索)
・Atlantic City Electric: atlanticcityelectric.com
・New Jersey Natural Gas: njng.com

水道は各地方自治体が管轄している場合が多いので、利用を希望する場合は、市政府のウェブサイトを確認すること。ニューヨーク市内の賃貸物件の場合、水道と暖房はオーナーがテナントに供給する義務があるので、基本的には家賃に含まれる。オーナーは市の環境保護局(Department of Environmental Protection)を通じて、登録する必要がある。

インターネット / ケーブルテレビ
住んでいる場所によって、インターネット、ケーブルテレビのサービスを提供する会社は限定されるので、事前に確認が必要。

監修: テレビジャパン

tvjapan.netサービス提供会社を選ぶ
ニューヨーク市および近郊では、居住する場所によって利用できるインターネット/ケーブルテレビのサービス提供会社が限定される。そのため、各社のウェブサイトなどで事前に自分が住む場所で利用できるかどうかを調べる必要がある。大手ではSpectrum(旧Time Warner Cable)、Optimum(旧Cablevision)、Xfinity(Comcast)、Verizonなどがある。サービスは基本的にはインターネット通信(モデム、ワイファイルーターを提供)、ケーブルテレビ放送(ケーブルボックスを提供)、固定電話通信(留守電、転送機能付きなど)から必要なものを単独、またはバンドル(セットプラン)で選ぶことになる。料金はインターネット、ケーブルテレビ単独の場合、月額50ドル前後から。バンドルでは単独で頼むよりも割安になるほか、選ぶプランによっては、特典として映画チャンネルなどが付くことがある。また料金は一定期間を過ぎると変わることがあるので契約時に確認、検討すること。契約時に、設置工事の日取りを決める。当日は作業員がケーブル、モデムなどの設置を行うので立ち会うことになる。住居にすでにケーブル用回線が設置されている場合は、それほど時間はかからないが、新たに回線を設置する、あるいは回線はあるが、しばらく使われておらず機能していない場合などは新たにケーブル回線の設置が必要で、時間がかかる。

日本語放送
当地の日本語放送は、地上波で視聴できるものと、ケーブルテレビを契約した上で追加料金を払い視聴するものがある。「テレビジャパン」は、NHKを中心に民放のドラマやバラエティー番組、邦画などをケーブルテレビ、衛星放送、IPTVを通じて、毎日24時間放送している日本語プレミアム・チャンネル。「テレビジャパン」を運営しているNHKコスモメディア・アメリカはSpectrumの取次代理店として、コールセンターを通じて新規のインターネット、ケーブルテレビ、固定電話の開設、サービスの追加を日本語で受け付けている。

〈インターネット/ ケーブルテレビサービス提供会社〉
・Spectrum: spectrum.com
・Spectrum日本語取次代理店(テレビジャパン): tvjapancables.net
・Verizon: fios.verizon.com
・テレビジャパン: tvjapancables.net

近距離引っ越し
ニューヨーク市内やアメリカ国内での引っ越しの手順を紹介する。

監修: 細井正明さん
米国日本通運 / TEL: 1-800-447-0808 / nittsu.com/hikkoshi

引っ越し手段を選ぶ
まずは、引っ越し先に持って行くもの、捨てるものを選別し、搬出入する必要がある荷物の量を確定させること。その上で、1人、あるいは友人数人で運び出しができるのか、専門の引っ越し業者の手を借りる必要があるのかを考える。荷物が少ない場合は、配車サービスを手配したり、U-Haulなどでトラックを自分で借りるという手段もある。引っ越し業者に依頼する場合、料金体系は、引っ越し作業に掛かった時間分を払う「時間制」と、荷物の量や搬送距離で一律料金を課す「フラットレート」がある。時間制の場合は最低単位の時間から追加で掛かった時間の料金が上乗せされる。含まれないサービス内容、料金については事前に確認しておくと、トラブルを回避できる。

事前準備
建物のエレベーターを使う場合は、事前に搬出日にエレベーター利用の予約を取ること。その際、いままで住んでいた建物だけでなく、引っ越し先の建物のエレベーターの予約も取ることを忘れずに。建物によっては、エレベーターの予約だけでなく、搬出入時に壁や床などの損害に備えて、引っ越し業者が加入している賠償責任保険(Liability Insurance)の保険証書(Certificate of Insurance)を提出するよう義務付けている場合もあるので、引越が決まったら、早い段階で事前に建物のオーナー、管理会社に確認すること。また配達先の部屋(Kitchen、Livingなど)をダンボールに記載しておくと、搬入時にスムーズになる。

引っ越し当日
業者に引っ越しを依頼した場合は、運んでもらうものと、自分で持って行く手荷物を選別しておくこと。また業者に依頼する場合は、依頼主は荷物の搬出、搬入ともに立ち会う必要がある。ケーブルテレビやインターネットの接続、ガス、電気などの手配はあらかじめ済ませておくとよい。特に業者が来て作業が必要となるケーブルテレビやインターネットの接続を引っ越し日と同時に済ませたい場合は、引っ越し作業が済む夕方ごろ予約するのがおすすめ。

子供がいる場合は、ベビーシッターに預けるなどしておいた方が、作業の邪魔にならず、けがの心配がない。

海外/帰国 引っ越し
日本への帰国のための引っ越し作業プロセスや荷物の仕分け、梱包のコツなどをまとめた。

監修: 細井正明さん
米国日本通運 / TEL: 1-800-447-0808 / nittsu.com/hikkoshi

引っ越しまでの流れ
引っ越し業者に見積もりを頼む時期は帰国の2~3カ月前。混み合う時期はさらに余裕を持って動き始めた方がよい。見積もり時には荷物の量の確認、引っ越しの日程の打ち合わせ、サービス内容の説明などが行われる。持って帰るものと処分するものを決め、業者に情報をすべて伝えて相談すること。引っ越し日が決まったら、処分できるものは処分しておく。アメリカサイズの大型家具は、日本に持ち帰っても部屋に入らないことがある。また日本への持ち込みが禁止されている、あるいは課税対象となる物品もあるので、事前に業者に確認してから梱包(こんぽう)を開始すること。荷物量によっては日本での開梱(かいこん)に時間が掛かるので、リストには具体的品名を書くと後で見つけやすい。荷造りは、重いものを箱の底に、軽いものは上の方に詰めていくのが鉄則。ダンボールの中に隙間があると輸送中の破損の原因になるので、隙間ができたら洋服やタオルなどを緩衝材として利用するのがコツ。荷物は船便、航空便、自分で持ち込む手荷物に分ける。日本の自宅に配達するまで、船便は約2カ月半、航空便は約2週間かかる。船便第1便では、食器棚や本棚などの収納用の家具、季節外れの衣類、本などを1カ月~2カ月前に出す。当地の生活で最後まで使うものは、船便第2便と航空便に分けて2、3日〜1週間前に発送する。航空便の到着は、帰国後、1週間程度が目安。

引っ越し当日&帰国日
引っ越し当日には、手荷物と業者に持って行ってもらうものを、しっかりと分けておくこと。鍵、財布、携帯電話、パスポートなどの貴重品、手荷物は部屋の1カ所にまとめておくことが肝心。誤って業者に運ばれてしまうと、後で大変なことになる。

帰国日、飛行機内で配られる「携帯品・別送品申告書」を必ず2枚受け取り、2枚とも同じ内容で記入。別送品の個数は手荷物以外の日本へ発送するものすべてに該当する。船便1便、船便2便、航空便、そして車を送る場合はその数も含まれるので忘れないように。空港に到着したら税関職員に手渡し、1枚は税関が保有、もう1枚は返却されるので、必ず税関のスタンプが押されているか確認した上で受け取り、空港の引越業者のカウンターに渡すか、業者に送付しよう。この申告書が、船便や航空便到着時の通関手続きで必要となるので、絶対に忘れないこと。

ペット
ニューヨーク市内でペットを飼う際の注意点などをまとめた。イヌを飼うにはライセンスの取得が必要となる。

ドッグライセンス
ニューヨーク市保険精神衛生局は、イヌの飼い主に対して「ドッグライセンス(許可証)」の取得を義務付けている。ネコに関する同様の規定はない。許可証は1〜5年の期限で、期限切れになる前に更新する必要がある。ドッグライセンスの申請と更新は、ウェブサイトから申請書をダウンロードして記入し郵送、またはオンラインでも可能。料金は、去勢・避妊手術済みの場合は年間で8ドル50セント、そうでない場合は4カ月以上が年間で34ドル、4カ月未満が8ドル50セント。申し込みから約4週間後に許可証が届く。番犬、および攻撃犬として訓練を受けたイヌを飼う場合は商業、個人目的にかかわらず、ドッグライセンスに加えて番犬として登録する必要がある。さらに番犬が行方不明になる、連れ去られる、または飼い主を変更する場合は5日以内に同局に報告する必要がある。番犬は、首輪にドッグライセンスの札と番犬登録の札の両方を常に着けている必要がある。登録料は10ドル。

〈ニューヨーク市保険精神衛生局〉
www1.nyc.gov/site/doh/services/dog-licenses.page

〈ペットに関連した施設〉
ASPCA Adoption Center: aspca.org
Animal Care Centers of NYC:nycacc.org
BARC: barcshelter.org

ペットと暮らす
ニューヨーク市内でペットも一緒に入居が可能な賃貸アパートを探す場合、物件の数は限られているので、見つかるまでに時間を要することが多い。ネコは可でもイヌは不可という場合や、頭数が制限されている場合もあるので注意が必要となる。

また一般的に、ペット帯同の場合は家賃やセキュリティーデポジットが割高になると考えた方がよいとされている。また、契約書にペットに関する条項が明記されていることを確認すること。またトラブル回避のため、口約束での入居は避けた方がよい。においや鳴き声をめぐり住民とトラブルになる場合や、動物アレルギーの住人から苦情が寄せられる場合もあるので、近隣への配慮が必要となる。

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