楽天浅村が移籍1号も…平石監督がより評価したこと「他の選手が影響される」

楽天・浅村栄斗【写真:荒川祐史】

中断するほどの雪が降った試合で記念の一発「忘れられない試合になった」

■楽天 3-1 日本ハム(2日・楽天生命パーク)

 楽天の浅村栄斗内野手が2日の日本ハム戦(楽天生命パーク宮城)で移籍後初本塁打となる1号2ランを放った。

 待望の瞬間は1点リードの8回に訪れた。1死から2番・茂木がセンターへ三塁打を放って出塁。「リラックスして、しっかり考えて打席に立てていた」と振り返った浅村。追加点がほしい状況だったが、「犠牲フライでもいい場面だったので軽くいきました」と気負いせず、バットを振り抜いた。フォークを捉えた打球は低い弾道で左中間スタンドに飛び込み、試合を決定付ける2ランとなった。雪が舞う気温が低い中での試合。ベンチもスタンドも熱気に包まれる一発を放ち、「いい場面でホームランになった。試合を決める一打を打つことができて嬉しい」と喜んだ。

 ベンチで首脳陣とハイタッチして浅村を出迎えた平石洋介監督も「とにかく1点がほしかった。開幕カードの最後の方の打席からちょっと力みが消えてきて、いい内容で打っていた。素晴らしいホームランでしたし、貴重な追加点だったと思います」と称えた。

 だが、指揮官がフォーカスしたのは本塁打以上に先制点につながる進塁打だった。4回無死二塁でカウント1ボール2ストライクから二ゴロを打ち、二走・茂木を三塁に進めた。直後に4番・島内の左前適時打で先制。「追い込まれながらも、ヘッドを返さず進塁打を打つというのは本当に大きいこと」と話し、「中心になるアサがああいう姿をやってくれたら、他の選手も影響されると思います」とナインへの波及効果も期待する。

 西武からFAで楽天に移籍。開幕から安打を重ね、この日も第1打席で右前打を放っていた。4打席目で初本塁打が飛び出し、「本拠地の開幕戦で、ファンの前でいい姿を見せられたというのは良かったと思います」と浅村。それでも、まだ本調子ではないといい、「ボール球に手を出すこともあるので、もっと球を見極めて打っていければ、状態ももっと上がってくると思う」と話した。

 移籍後、初本塁打を本拠地開幕戦で放った。それも、中断するほどの雪が降った「今までで一番、寒かった」という試合で。「ホームでの一発目の試合で、忘れられない試合になったかなと思う」と浅村。楽天の一員として、思い出になる試合をさらに作っていく。(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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