ロックファンの「聖地」 営業終了 長崎「Studio DO!」

33年の歴史に幕を下ろした「Studio DO!」

 長崎のロックシーンを約33年にわたり支えてきた老舗ライブハウス「Studio DO!(スタジオ ドゥ)」(長崎県長崎市夫婦川町)が、施設の老朽化などを理由に3月末で現地での営業を終了した。楠田昌尚代表(41)は「長崎の若者たちが音楽を楽しむ場所を残したい」と移転先を探している。

 同店は80年代から始まった「第2次バンドブーム」に当たる1985年12月にオープン。オールスタンディングで200人を収容できるホールや貸しスタジオ(3室)があった。音響や照明機材も充実しており、地元のバンドマンを中心に練習したりライブを開いたりする場として親しまれてきた。

 これまでにプロミュージシャンを目指す多くの若者らが集まり、その中には「横道坊主(おうどうぼうず)」や「SHANK(シャンク)」などメジャーデビューを果たしたバンドもいる。「フラワーカンパニーズ」や「竹原ピストル」など有名アーティストもツアーなどで訪れ、ロックファンらでにぎわう「聖地」だったが、ホールが入るビルの老朽化などで現地での営業継続が困難になった。同店でバンド活動をしてきた松尾洋平さん(28)は「思い出がたくさんある家のような存在だった。とても寂しい」と話す。

 スタジオの移転先はまだ見つかっていないが、楠田代表は「少子化などで若者のロックバンドは減っている。それでもプロミュージシャンを目指す人たちの夢を支え続けたい」と営業再開に意欲を燃やしている。

ホールのステージで演奏するミュージシャンら=長崎市夫婦川町、「Studio DO!」
「移転先を見つけて営業再開を目指したい」と話す楠田代表

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