長崎舞台の作品 もっと描いてもらおう 長崎県が作家らの支援強化

 長崎県は本年度、小説家や脚本家、漫画家らの創作支援を強化する。作家を取材旅行に招く既存の事業を継続しながら、新たに招待した作家らに対し定期的に連絡を取り合い、長崎県の情報を伝えていく。世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」など長崎県の観光資源を作家に売り込み、長崎県を舞台にした作品で交流人口の拡大につなげていきたい考えだ。

 長崎県は、漫画や小説に長崎県の名所が登場すると、読者らの印象に残り誘客につながると期待。交通費や滞在費を負担し作家を取材旅行に招く「描いてみんね!長崎」を2016年度から展開している。他県では物語の舞台にファンが押し寄せるケースもあり、作品化はさまざまな可能性を秘めている。

 これまでに招いた作家は15人。潜伏キリシタン関連遺産の構成資産がある離島や半島地域にも出向き、11人が既に漫画化するなどした。このうちの一つ、新潮社の電子書籍で連載していた「手のひらの楽園」は、大村市の向陽高がモデル。テレビドラマになった「校閲ガール」の著者、宮木あや子さんが来県し取材した。ほかに3人が4月以降、作品にする予定。

 長崎県は本年度から、作家に長崎県の情報を定期的に伝え続け、より深い関係性をつくっていきたい考えだ。継続的な交流で、将来的にはテレビドラマ化やアニメ化を目指す。

 長崎県文化振興課は「いろいろな年代の人に来てもらえるよう、制作を支援していきたい」としている。

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