第3回 「キングオブコント2018コント以外部門」

世の中の言葉は二つに分けられる。都市伝説っぽい言葉かそうではない言葉かである。

その判別法は簡単で、都市伝説っぽいかどうか知りたい言葉に(都市伝説)と付けてみるだけでよい。

例えば森進一さんのヒット曲。

①冬のリヴィエラ

②襟裳岬

③おふくろさん

これに(都市伝説)と付けてみる。

①冬のリヴィエラ(都市伝説)

②襟裳岬(都市伝説)

③おふくろさん(都市伝説)

①はまったく都市伝説っぽくはない。

②も都市伝説っぽくはないのだが、もしも襟裳岬が実在しない地名であったら都市伝説っぽさはグンと上がる。存在しない駅名であったら完全に都市伝説だ。

③は都市伝説っぽい。学校帰りに「おふくろさん」と呼ばれている人物(?)に会ったなどという話で小学生が盛り上がっている姿が容易に想像できる。

つまり、判定結果は以下の通りになる。

これをキングオブコント2018のファイナリストでも試してみよう。

コント部門ではハナコが見事優勝したが、こちらは都市伝説部門。最も都市伝説っぽくなるのはどのグループだろうか?

都市伝説部門

都市伝説っぽくなるのは3組に絞られた。

ハナコは響きが実在する『トイレの花子さん』を連想させるために都市伝説っぽくなる。ただ、それに引っ張られている感は否めない。

わらふぢなるおのように、一見意味のわからない文字の羅列的なものは都市伝説度が高い。「この言葉を唱えると何かが起こる」といったような都市伝説がありそうだ。またすべて平仮名というのがそれっぽい。

ロビンフッドはそもそも伝説上の人物であるから、それが日常生活に現れるという設定だけでなんとも言えない怖さがある。「早く帰らないとロビンフッドが現れる」や「ロビンフッドに遊びに誘われた時に言う言葉」みたいなことを真剣に語り合う小学生が想像できる。もしもこれに敬称が付き、『ロビンフッドさん』ならば完全なる都市伝説になっただろう。

よって総合的に判断し、都市部門の優勝者はわらふぢなるおに決定だ。

続いてはバンド部門だ。都市伝説部門のように(バンド)を付けて、最もバンドっぽい名前になるグループを決定しよう。

バンド部門

なんとこちらは全組バンドっぽくなることがわかった。

とは言え、想像されるジャンルはバラバラで、さらば青春の光は文字通りモッズ色が強そうだ。チョコレートプラネットはメロコアバンドを彷彿とさせる名前で、GAGはゴリゴリのハードコアバンドにしか思えない。やさしいズは別グループのアーティスト同士が結成したユニット感、あるいは覆面バンド感がある。『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』に出てそうなバンドはだーりんずだ。ザ・ギースはthe pillowsのような音を出しそうで、ハナコはナゴムからレコードを出していそうである。

というわけで、この部門は全組優勝。

次がプロレス団体部門だ。こちらも同様に(プロレス団体)と付けてみる。

プロレス団体部門

なんとGAGしかプロレス団体っぽくならなかった。

この部門はGAG圧勝!

知育菓子部門

こちらはわらふぢなるおのみ。ねるねるねるねのようなCMが想像できる。

わらふぢなるおの二冠達成だ。

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