気持ちに打ち勝ち同点弾 サヨナラ勝利の立役者 燕・雄平の中にあった心の葛藤

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ヤクルト・雄平【写真:荒川祐史】

3点差を追いつく本塁打を右翼席へ 最後は山田の押し出し四球で勝利

■ヤクルト 5-4 DeNA(3日・神宮)

 雄平の打球は逆転を信じるファンの待つライトスタンドへと運ばれた。

 3点を追う8回。先頭の好調・青木が右前安打で出塁。山田も左翼線二塁打でチャンスを広げた。1死二、三塁。ここまで2三振の雄平が試合を振り出しに戻す大きな今季1号3ランを放った。「(相手の)パットンはまっすぐも速いし、スライダーも速い。まっすぐ対応でいきました」とタイミングを合わせ、2球目の146キロを強振した。値千金の同点弾となった。9回はDeNA・三上が制球を乱し、最後は山田の押し出し四球でヤクルトはサヨナラ勝利した。

 試合後、最初に雄平の口を突いたのは反省の弁だった。「その前にチャンスをつぶしてしまっていました。なかなかいいバッティングができていなかったので」。初回、バレンティンのタイムリーで1点を先制し、なおも満塁でまわってきた第1打席で空振り三振で追加点が取れなかった。6回2死二塁でも見逃し三振に倒れていた。「気持ちが負けがちになりますが、ここは強い気持ちを持っていきました」。打者はどうしても前の打席を引きずってしまうこともある。弱気になることだって、ある。ただ、経験豊富なベテランは折れそうになる心を立て直し、勝負の打席に入っていた。

 強気の姿勢の一方で「力みすぎてしまってはダメ。打ちたい、打ちたいという気持ちだと、力んでしまう。そうなってしまうことも分かっています。あの打席では(力まずに打つことが)できました。その感覚をしっかり持ってやっていきたいです」とも話した。様々な心の葛藤に打ち勝ち、勝負強い打撃が生まれた。小川監督も「満塁で三振してしまった場面もあったけど、大きな本塁打だったね」と劇的な一発に目を細めていた。(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)