地域と共に子ども食堂 あす西山にオープン

子ども食堂「こどもサロン 竹とんぼ」発起人の犬塚さん(前列右から2人目)とボランティアで携わる地域住民ら=長崎市西山2丁目

 食事が十分に取れない子どもたちを支援しようと、長崎市西山2丁目の電気工事業、イナヅマ電気工事は6日、同社近隣のビルの一室に子ども食堂を開設する。地域のボランティアの人らと協力しながら食事を無料で提供。発起人で同社創業者の犬塚貴雄さん(78)は「『おなかがすいたら来て』と、みんなを受け入れたい」と話している。
 食堂名は「こどもサロン 竹とんぼ」。「竹のように真っすぐ育ち、自力で飛び出す子どもになってほしい」という意味を込めた。食堂は4月から6月まで月2回開き、7月からは月4回の運営を目指す。
 犬塚さんは2017年、同社の創業45年に当たり「社会に恩返ししたい」と強く思った。貧困、虐待、孤立…。飽食の時代にさまざまな事情で食べられない子どもたちの命や健康を支えようと、これまで関心があった「子ども食堂」の開設を決意した。
 犬塚さんは昨年春、社長を退職。昨年秋に会社近くのビルを購入した。一階の一室約80平方メートルを改修し、テーブルや32人分の椅子を設置。活動に賛同する取引先がエアコンや電子レンジなどを寄付した。調理は、高校の同級生の元飲食店経営者や地域の婦人会員ら有志8人程度が担当する。
 犬塚さんは県内の子ども食堂の関係者から、食堂に来るときは身なりを整えていても、実は生活に困窮している親子もいるという話を聞いた。「困っている人を掘り起こし、支援につなげたい」と考えている。
 「『衣食足りて礼節を知る』というように、満腹になって和気あいあいの社会になれば」と犬塚さん。犬塚さんの長男で同社社長の真崎庸一郎さん(47)は「父の思いを引き継ぎ、運営していきたい」と思いを同じくする。
 問い合わせは同社(電095.825.2220)。

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