【MLB】マリナーズは菊池雄星に「楽観的に」 成功の鍵はバックフットスライダー

マリナーズ・菊池雄星【写真:Getty Images】

米メディア「CBSスポーツ」が菊池に注目

 今季、西武からポスティングシステムを利用してマリナーズへ移籍した菊池雄星投手。イチロー元外野手の現役ラストゲームとなった3月21日、東京ドームでのアスレチックス戦で先発しメジャーデビューを果たした。さらに同29日(日本時間30日)の本拠地レッドソックス戦では6回2失点と好投。まだメジャー初白星を手にできていないものの、好投が続いている。

 当初は4月4日(同5日)に行われる敵地ホワイトソックス戦で3度目の先発マウンドに上がる予定だった菊池だが、シカゴの悪天候により、翌日に順延に。当初休養日となっていた5日(同6日)にスライド登板することになった。

 菊池の在籍するマリナーズは今季ここまで8試合を戦い、7勝1敗と好スタートを切り、ア・リーグ西地区で首位に立っている。このマリナーズの快進撃に米メディアも注目。「CBSスポーツ」は、オフに主力を大量放出しながらの好スタートを「ユウセイ・キクチと彼のバックフットスライダーのおかげで、絶好調のマリナーズには楽観的になる理由がある」と分析し、特集を組んでいる。

 CBSスポーツは「シアトルの最も興味深い新加入は左腕ユウセイ・キクチである」と指摘する。菊池はここまでの2試合で防御率2.53と好投。「この成績に重きを置くのは早過ぎるが」と前置きした上で「現時点までの小さなサンプルで、キクチのスライダーが彼の成功の鍵だということが明らかとなった」と、菊池の最大の武器であるスライダーが今後の鍵を握るとした。

 MLBのデータ解析システム「スタットキャスト」によると、菊池はレッドソックス戦でスライダーを22球投げたという。記事では「左打者と右打者問わず、ほぼ同数のスライダーを投げ、スイングの半分以上で空振りを奪った」とし「キクチは右打者に対し、バックフットスライダーを投げる能力も見せた」と、右打者の膝元に切れ込むスライダーの存在に着目した。

 記事の中では「右打者を抑えるためにスライダーが必要なため、キクチの安定してスライダーを制球する能力は重要である。打者に近づいてくる球の方が離れていく球よりも打ちやすいという明白な理由により、通常、スライダーは同じ方向の打者に対しての方が効果的な球である。しかし、バックフットスライダーをマスターすることは、クリス・セールのような投手たちをとても効果的にしている」と、左投手の右打者に対してのスライダーの効果についても言及している。

 まだ、2試合の先発のため「キクチのスライダーがこのようにメジャーリーグの打者から空振りを奪うのに効果的であり続けるかは、まだ分からない」というが、「彼は93マイルの直球、平均以上の回転数のカーブ、球を隠し欺く投球フォームなど、ローテーションの2番手として自身を確立するのを助ける他のものを持っている」と左腕を高く評価する「CBSスポーツ」。これらの要因から「新しい左腕について、現時点でマリナーズは楽観的になる理由がある」と記事は締めくくられている。(Full-Count編集部)

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