激戦区を歩く 2019 県議選(5完) 大村市区(定数三-5人)

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候補者の個人演説会で気勢を上げる支持者ら=大村市内

 「小林先生にはぶっちぎりで、1等賞で当選していただきたい」。告示日の3月29日、無所属現職の小林克敏候補の出陣式。駆けつけた園田裕史市長がマイクを握ると歓声が上がった。
 小林候補、自民現職の松本洋介、里脇清隆両候補、自民新人の北村貴寿候補、立憲民主新人の牧山大和候補の計5人が争う大村市区。松本候補と戦った2015年の市長選で小林候補の支援を受けた園田市長は、小林候補の出陣式にだけ出席した。他陣営からは「市長が特定の候補を応援するのはおかしい」との批判もあるが、小林候補は「(市長選で)よそを応援しておいて厚かましい」と一蹴する。
 29日夜、松本候補の個人演説会。「補選の1万6983票が尾を引いている」。会場はほぼ満員。松本候補は復活当選した昨年の県議補選の余熱をこう表現しながらも、市長選での敗戦を引き合いに出し、気を引き締めた。“政敵”ともいえる園田市長が得意とする自転車での活動も新たに取り入れ、なりふり構わず票の掘り起こしに力を入れる。選挙事務所の真向かいには、市長選で使った旧事務所がある。後援会幹部はつぶやく。「あれが戒めになっている」
 4月2日午後、西大村地区。里脇候補の選挙カーが住宅密集地をくまなく回っていた。マイクで支持を訴えながら、路上に出てくる支援者を見つけては握手を交わす。里脇候補は自らの置かれた立場を「3番手争いだ」と自虐的に表現しながらも「24年かかって、今が脂が乗り切った時期。議席を譲るわけにはいかない」と鼻息は荒い。保守票を奪い合う乱戦模様の中、自衛隊票の獲得にも躍起になっている。
 4月3日朝の出勤時間帯。陸上自衛隊の大村、竹松両駐屯地、海上自衛隊大村航空基地の正門前には各候補が陣取り、隊員らにアピール合戦を展開。場所を確保した北村候補の姿もあった。ある自衛隊OBは「海自と陸自の隊員数は約3千人。家族やOBなどを含めると1万票ぐらい」とみる。自民公認を得た北村候補にとっても自衛隊票は生命線。街頭活動に加え、会員制交流サイト(SNS)などを使った“空中戦”で若い世代に発信を続ける。
 3日午後、共産党が主催する集いに牧山候補が現れた。共産関係者は「自民系の議席独占を阻止するため、牧山候補を自主的に支援する」と話す。一方で、頼みの綱の労組の弱体化は否めず、「民進党が分裂して以降、入り口論で一枚岩になりきれていない」(連合長崎関係者)。不安も入り交じる中、陣営幹部は力を込める。「何としても3番手に滑り込む。非自民の声を届けるために」

◎立候補者
 
(届け出順)
里脇 清隆 59 自民現 (1)
松本 洋介 42 自民現 (3)
牧山 大和 40 立民新
小林 克敏 74 無 現 (6)
北村 貴寿 46 自民新