2019年の全日本ロード最高峰クラスがいよいよ開幕。今年もヤマハ中須賀とホンダ高橋が接戦の様相

 全日本ロードレース選手権JSB1000クラスの2019年シーズンが4月7日~8日に栃木県のツインリンクもてぎで開幕を迎える。2019年シーズンもTeam HRCとYAMAHA FACTORY RACING TEAMの争いが軸になるとみられるが、一騎打ちに待ったをかけるべく、スズキ、カワサキ勢も体制を強化している。

 2018年シーズンのJSB1000クラスは、スプリントレースがメインとなり全8戦13レースとレース数が増えたほか、ホンダのファクトリーチーム、Team HRCが10年ぶりに復活するなどトピックスの多い1年だった。

高橋巧(Team HRC)

 ファクトリーチームとして復活したTeam HRCから参戦した高橋巧はJSB1000クラス連覇に挑んだが、JSB1000クラス“絶対王者”中須賀克行が、中止となった第7戦オートポリスのレース1と岡山戦を除いた11レース中8勝を挙げる圧倒ぶりで連覇を阻止。通算8度目のタイトルを獲得した。

中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)

 2019年シーズンもTeam HRCとYAMAHA FACTORY RACING TEAMの体制は不動。2019年のオフシーズンテストでも開幕前からヤマハとホンダのファクトリーチームがトップを分け合っており、開幕戦もてぎでの2日間の練習走行では、中須賀、高橋、中須賀のチームメイトである野左根航汰の3人だけが1分47秒台を切るタイムを記録している。中須賀vs高橋、ヤマハvsホンダの構図はさらに接戦になりそうだ。

 一方、スズキとカワサキは体制を強化。ヤマハとホンダの一騎打ちに待ったをかけようとしている。

加賀山就臣(ヨシムラスズキMOTUL)

 スズキのトップチームであるヨシムラMOTULレーシングは、渡辺一樹を継続起用するとともに、2007年の鈴鹿8時間耐久ロードレースでヨシムラとともに優勝を勝ち取った加賀山就臣を起用し、マシンを基礎から見直して2019年シーズンに臨む。

 また、ヨシムラで6年間エースライダーを務めた津田拓也はTeam KAGAYAMAへ移籍し、チーム名をTK SUZUKI BLUE MAXに変え、ファクトリーチームに挑戦する。

渡辺一馬(Kawasaki Team GREEN)

 カワサキのトップチーム、Kawasaki Team GREENは、2018年のJ-GP2クラスチャンピオン、岩戸亮介を起用。エースライダーの渡辺一馬とともに新型のカワサキZX-10RRで2019年シーズンを戦う。

 さらに、JSB1000若手ライダーの前田恵助(YAMALUBE RACING TEAM)、水野涼(MuSASHi RT HARC-PRO.Honda)に加え、世界選手権を経験しているベテランライダーの秋吉耕佑(au・テルルMotoUP RT)、柳川明(will-raise racingRS-ITOH)、関口太郎(Team ATJ)も上位争いに絡んでくるはずだ。

 JSB1000のレースフォーマットは、2018年と同じくスプリントレースがメインの全8戦12レースで、開幕戦もてぎは2レース制で開催される。

 予選は45分の計時予選形式で、各ライダーのベストタイムがレース1のスターティンググリッドとなり、各ライダーのセカンドベストタイムがレース2のスターティンググリッドとなる。決勝は、レース1、2ともに23周で争われる。

 6日(土)は9時30分から予選が行われる。中須賀、野左根、高橋による三つどもえの戦い、そしてスズキ、カワサキ勢の反撃も注目のポイントだ。

 また、このもてぎ戦では、鈴鹿8時間耐久ロードレースの出場権をかけた『8耐トライアウト 1ndステージ』も開催される。8耐トライアウトは4月6日に行われるレース1が対象で、15チーム以上が参加。そのうちの上位5チームが選抜され鈴鹿8耐の出場権を得る。約4カ月先に控える真夏の大一番に向けた戦いもお見逃しなく。

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