又吉直樹「モネにすごみを感じた」「美の巨人たち」リニューアルで直島へ

毎回一つの作品にスポットを当て、そこに秘められたドラマや謎に迫るテレビ東京の美術エンターテインメント番組「美の巨人たち」が、4月6日の放送から「新美の巨人たち」(土曜午後10:00)としてリニューアルする。

作品が展示されている美術館や建築物、その画家のゆかりの地などにアートトラベラーが足を運び、実際に作品に向き合った時の感覚をそれぞれの方法で伝えていく。アートトラベラーとして週替りで登場するのは、又吉直樹、貫地谷しほり、井浦新、要潤をはじめとするアートに敏感な芸能人や文化人。また、番組ナレーションは市川実日子が、テーマ曲はジャズピアニストの上原ひろみが担当する。

リニューアル第1回目は、又吉直樹がクロード・モネの「睡蓮の池」を訪ねて香川県の直島に渡る。又吉は「直島へは気合を入れて行ったんですけど、土砂降りの雨でした。でも、それもよかったのかな。地中美術館という、建物が地下にある美術館と雨とがすごく合うというか。それにモネの作品も雨と合ってると思いましたね」と作品との出会いを語った。

そんな中で3時間もの間「睡蓮の池」と向き合った又吉は「作品と作家というのは切り離せないものなんだろうと思っていたんですけど、それがよりリアルに、ここまで作品の中に自分自身のいろんな感覚を入れていけるんだというのを強く感じました。自分が描きたいモチーフに真摯(しんし)に向き合うことができるモネという作家のすごみを感じました」と名画に対しての印象を口にした。

普段からアートに接する機会は多いという又吉。「上野とか六本木で、時間が空いてたら今はなんの展示をやってるのかなって調べてから行ってみたりします。お誘いを受けることも多いので、月に1回くらいは足を運んでると思います」。その経験から美術館での楽しみ方を聞かれると、「人気がある展示だと、混んでたりして一瞬しか見れなかったりするじゃないですか。僕は列に並んで一瞬だけ見るよりは、ちょっと離れた位置から長く見るのが好きなので、遠目に時間をかけて見たり、何回も見たりします。あとは、難しく考えないようにしようと心掛けてます。自分が見て、自分が思ったそのままをまず楽しみながら、その後で詳しい人に話を聞いたりというふうにしたりしますね」と自分なりの楽しみ方を明かした。

また、番組のアートトラベラーとして推薦してもいい芸人はいるかという質問には「芸人だけど、自分で作品を作って個展を開く人もいますよね。佐久間一行さんとか野性爆弾のくっきーさんとか。そういう方だとまた面白いんじゃないかと思います」と述べ、さらに「僕の相方の綾部(祐二)さんもすごくアートが好きで、美術館にも好んで行きます。以前、綾部さんの自宅で後輩を集めて食事会をやった時、後輩が椅子に座ったら『それは座る椅子じゃなくて作品だから座るな!』って激怒されたという話を聞きました」と明かし笑いを誘った。

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