統一地方選挙における候補者の内訳は?前半戦の投票日を前に分析

今回行われている第19回統一地方選挙。いよいよ前半戦の投開票日である4月7日が明日に迫ってきました。

もともと、統一地方選挙とはその名の通り、全国の地方自治体の選挙を統一した期日で実施する選挙のことで、第二次世界大戦後の1947年から4年ごとに行われてきました。しかし、任期満了までに議会の解散や首長の退職があった地域は、選挙実施の年度にずれが生じるため、その統一率は下がってきています。また、市町村の合併などによる影響も少なくありません(沖縄では1972年までアメリカの統治が続いていたため、別に「沖縄県統一地方選挙」が行われています)。

今回は41の道府県議会議員選挙に、計3062人が立候補を表明しました。前述の沖縄に加え、岩手、宮城、福島、茨城、東京の6都県以外で議会議員選挙が実施されています。

増加する無投票当選の割合

今回の選挙においては、地方議員のなり手不足が深刻化しており、すでに道府県議選で612人の無投票当選が決まっています。これは総定数の26.9%(以下、少数第二位以下を四捨五入する形)を占め、過去最高の数値となっています。
投票率においては回を重ねるほどに減り続けており、前回の都道府県議会議員選挙においては、過去最低の45.1%になりました。今回も上記のような状況を反映してか、より投票率が減少する可能性も予想されます。

現職、新人、元職の割合は?

立候補者のうち、現職の議員、元職、議員経験のない新人の割合としてはどうでしょうか。
自民党の候補者は特に現職議員の割合が多く、1302人中1095人、割合としては84.1%にのぼっています。多くの政党においては、候補者における現職議員の割合が過半数を超えており、例外は自由党など、そもそも候補者自体が少数の党を除けば、立憲民主党と共産党になります。この2党においては、新人が過半数を超えており、立憲民主党は177人中90人(50.8%)、共産党は243人中137人(56.4%)になっています。元職候補の割合は、どの政党でも決して多くはなく、全体を通しても3062人中95人(3.1%)に留まりました。
選挙においては毎回、現職議員の当選割合は多くはなっているものの、そもそも候補者自体が多いため、これはむしろ当然と言えるでしょう。逆に言えば、新参者の入るチャンスも、決して少なくないということがいえます。

女性の候補者も増加している

全体における女性の割合については、前回よりも躍進が目立つ形となりました。道府県議会議員選挙では389名で、全体の12.7%になりました。これは前回の選挙から1ポイント増えた計算で、人数としても前回から10人増大しています。またこれらは、いずれも過去最高の数値になっています。政党ごとに見てみると、特に女性の割合が多かったのは共産党で、243人中111人、割合にすると45.7%になりました。逆に最も割合が少なかったのは自民党で、1302人中55人、割合としても4.2%という結果になっています。

女性の候補者数が「過去最高の数値」でもまた10%台という事実。これは女性の政治参加が難しい現状を示しているとともに、まだまだ女性の参加に伸びしろがあるということを物語ってもいるでしょう。今回の選挙は、「政治分野における男女共同参画推進法(候補者男女均等法)」が施行されてから初の統一地方選挙ということもあり、今回の選挙を契機に、さらに女性の候補者の割合が上がってくる可能性は大いにあるといえます。

また、次回の選挙までには、「スマホ投票」が行われる可能性もあります。現状まだ日本では、選挙の電子化に対してなかなか具体的な話は進んでおりませんが、これによって経費の削減、また統一地方選挙に限らず、なかなか投票率の上がらない若年層に対するアピール効果も期待できます。実現すれば、女性の進出も含め、次回の選挙はまったく異なった様相を見せるかもしれません。

今回の選挙は、そうした「今後」の礎を作る大きな一歩でもあります。ぜひ、投票へと足を運びましょう!

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