わいせつ・セクハラ防止策 教職員向け研修実施へ 長崎市と市民団体連携

 教職員による生徒や児童へのわいせつ・セクハラ行為の防止策で、長崎市は本年度、市民団体と連携し、市立小中学校の教職員向けにハンドブックを作成、研修会に取り組む。市教委学校教育課は「(スクールセクハラは)あってはならないこと。子どもの安全安心を守り、教職員も加害者にならないよう全ての教職員に啓発する」としている。
 事業は、市民団体の発想で地域の課題解決を目指す「市提案型協働事業」の一つとして選ばれた。セクハラに関する相談活動や情報発信などを実施する「モッシュ(もうセクハラを許さない女たちの会・ながさき)」が市に提案。メンバーが研修の講師やハンドブックの作成に携わる。
 同課によると、ハンドブックには、スクールセクハラの事例や児童・生徒への影響、防止のための心構えを記載する予定。7月までに第1案を作り、案を基に全市立小中学校の管理職や服務規律推進委員会の担当者らの研修をした後、受講者の声を反映させてハンドブックを完成させる。10月からは、各学校での校内研修や節目研修にハンドブックを取り入れる方針。
 県によると、2013年度から18年度までに児童、生徒に対するわいせつ・セクハラ行為で処分された県内の教職員は7人で、7人とも免職となった。このうち長崎市では17年、小学校の教室で、男性教諭(当時)が女子児童らのスカートの中を盗撮する事案が発生した。

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