2018年度 企業倒産 長崎県内は42件

 東京商工リサーチ長崎支店が5日公表した2018年度の長崎県内企業倒産件数(負債1千万円以上)は42件となり、前年度より10.5%増えたものの、1971年の集計開始以来4番目に少なかった。負債総額も104億円と1.6倍に増えたが、8番目の低水準。金融機関が融資の返済を猶予しているのが主因とみられる。
 倒産件数は10年度以降、100件未満で推移。18年度も例年通り従業員19人以下の零細企業が9割強を占め、理由は販売不振が8割強に上った。業種別でみると、サービス業14件、建設業9件と続いた。地域別では佐世保市が11件で、長崎市の9件を上回った。
 同支店によると、長崎市内で大規模工事を多数控え、建設関連需要は引き続き期待される。一方、造船業の受注低下、若年層の県外流出による地元企業の人手不足、それに伴う人件費の高騰、輸送コスト上昇も進んでいる。同支店は「県内市場は縮小傾向で、企業の収益圧迫要因は増えている」と分析。ふくおかフィナンシャルグループ(福岡市)と十八銀行(長崎市)が1日に経営統合したのを受け「地元企業の資金調達環境の変化も予想され、楽観は許されない」としている。
 3月の倒産件数は5件、負債総額は33億8千万円だった。

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