水没してしまった……
「釣り人共通のリスク」ともいえるのが、タックルの水没。もしタックルを水没させてしまったら、あなたはどうしますか?
実は、その後の対応がリールの運命を左右するのです。今回は、リールが水没してしまった時の正しい対処法をレクチャーします!
リールを救うのは、お馴染みリールマニア
佐藤稜真
某リールチューンメーカー在籍時、Facebook・Instagram運営を手がけながら全国のイベントで年間100台以上のリールをメンテナンスしていた経験を持つ。
中学生の頃からカタログのスペックを暗記するほどのリール好き。関東のフィールドでのエリアトラウト・シーバスフィッシングをメインにしている。
放置すると、リールが死ぬ!?
海水がボディ内部に侵入するとグリスやオイルと混じり、固着・錆が生じます。当然、それらを放置すると症状が悪化し、場合によってはリールが再起不能になることも。
意外な盲点ですが、防水性能の高い近年のリールは、一度入った水が排出されにくいという欠点を持ち合わせているのです。
そのため、迅速な事後対応が求められます!
水没後の処理は“スピードが命”
水没後の回転は厳禁!
水没後は、極力リールを回転させないようにしてください。回転部分の隙間から水が侵入し、排出されにくくなってしまいます。
回転によって水を弾き飛ばせそうなイメージがあるかもしれませんが、逆効果です!
まずは入念に水洗い
水没したら、可能な限り早く水洗いをしてください。いつもより入念に水洗いをし、そのあとはしっかりと乾燥させます。
長時間水に漬け込むのは再度水没させるのと同じなので、絶対にやめましょう!
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新しいオイル・グリスを注油
水没と水洗いによってオイルが流出しているかもしれないので、乾燥させたあとは注油しましょう。
スピニングリールの場合は、メインシャフト、ドライブギアのベアリング、ラインローラー、ハンドルノブ、ドラグ。
ベイトリールの場合は、スプール両軸のベアリング、スプールのシャフト、レベルワインドへの注油を念入りに行ってください。
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なるべく早くオーバーホールへ!
もしも長時間水没させてしまった場合は、なるべく早くメーカーにオーバーホールの依頼をしましょう。浸水が激しい場合は、応急処置程度では不十分です。
水没直後は普通に使えていても徐々に錆にむしばまれ、修理代が超高額になったり、場合によっては再起不能になったりするケースも……。
とにかく急げ!
水没した場合は、とにかく初動の速さが大切です。
防水性能の高い現代のリールは、軽い水没程度なら重大な浸水には至りませんが、それを放置してしまうと致命的なダメージに繋がります。
万が一水没してしまった際に正しく対処できるように、頭の片隅で覚えておいてくださいね!