声振り絞り 最後の訴え 長崎県議選きょう投開票

最後の訴えに声を振り絞る候補者=長崎市内

 長崎県議選は6日、9日間の選挙戦に幕を下ろした。各候補は終日、選挙カーで住宅街や繁華街をくまなく駆け巡り、「新しい長崎を創っていく」「引き続き仕事をさせて」と絶叫。“最後の訴え”に声をからした。

 現職と元職、新人の計6人で4議席を争う諫早市区。国民民主元職は早朝から国道沿いに立ち「何としてもリベンジを」とドライバーに手を振り続けた。市民グループがボランティアで清掃活動に取り組んでいた河川敷では、無所属現職と自民現職が鉢合わせしたものの、互いをたたえ、がっちり握手。サクラの下でくつろぐ家族連れらに駆け寄り、それぞれ「もう一歩、あと一歩」「県議会へ押し上げてください」などと呼び掛けた。

 五島市区は1議席を巡って激しい一騎打ちとなった。公民館前で街頭演説をした無所属現職は、県議4期の間に住民の要望を受けて実現した施策を紹介し「皆さんの心と声を聞き、すぐに実現する身近な政治が必要だ」。自民新人は応援に駆けつけた市長や、国会議員とのつながりを強調。「国境離島新法のさらなる活用を進めたい」と訴え、買い物客らと握手を交わした。

 現職と新人の計3人が2議席を争っている西彼杵郡区では、国民民主新人が選挙カーを止め、国道沿いで買い物客やドライバーに最後のお願い。「皆さまのお力であと一歩押し上げていただきたい」と声を振り絞った。選挙区を回り終えた自民新人は、運動員や支援者を前に「皆さまの支えを抱きながら結果を待つだけ。ありがとうございました」と締めくくった。

 佐世保市・北松浦郡区は定数9に11人が立候補。夕方すぎには大票田の市中心部に次々と集結。市役所やアーケードの周辺などで最後のアピールをした。自民現職の一人は「全力を出し切った。それに尽きる」とやり切った表情。国民民主現職は「日に日に皆さんの反応が良くなった」と笑顔で話した。

 定数14に17人が名乗りを上げた長崎市区。各候補は市中心部の鉄橋で立て続けに演説し、支持を訴えた。自民現職の一人は、次の4年間で経済活性化に力を入れる決意を語り「20、30年先の子どもたちの未来が輝くために努力する」と力を込め、立憲民主新人は「若い世代が声を上げて、凝り固まった県政に新しい風を送りこまなければならない」と県議会の“世代交代”を求めた。社民現職はマイク納め式で、選挙戦を支えた支持者らに感謝を伝え、陣営関係者は「一生懸命やり切った。あとは運を天に任せるだけ」と祈るように語った。

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